当学科のための教室での講座や校外学習の様子です
1年生前期 びわこ環境学科 選択講座内容:2024年10月~2025年3月 日付 会場 講師 内容 2024年
10月16日第4研修室 滋賀大学教授
石川俊之先生環境を学ぶとは ~環境学習の方法、その観点~
・日常生活内の問題が地域や地球規模の問題と深く関係しているので、様々な問題を発見し関心を持つことで、環境と生活を結び付けて考えることができる。
・環境の専門家は、経験に基づく知識が多い(体験したことは覚えている)。
座学で学んだこと(行動に生かせる知識があること)で、行動する際に難しいと感じにくくなる。2024年
10月16日第4研修室 びわこ成蹊スポーツ大学名誉教授
青木豊明先生湖や河川を知るための基礎知識
・宇宙、地球の誕生からプレート活動、琵琶湖の歴史(世界3番目に古い古代湖:約400万年)、
琵琶湖の大きさ(水深、貯水量)や水理現象について学んだ。びわ湖環境についての学びがスタートしたと感じた。2024年
10月30日高島市新旭町針江 元県立虎姫高校教諭
村井利美先生校外学習:針江生水(しょうず)の郷かばた について
《 川端散策と水文化、環境への取組の学習、地域の人とのふれあい 》
・朽木のブナ原生林に染込んだ水が地下水となり、琵琶湖に流れる。
針江地区では、地下10~20mまで打ち込んだ鉄管から地下水が自然と壺池に湧き出し、端池に溢れ出す。
野菜・食器等の洗浄に使用し端池で鯉等を活けている。
・年中12~14℃の水温で、夏冷たく、冬暖かい生水を使った独自の水利用文化を今に継承している。
また、湧水が豊富な針江大川には、ナガエミクリ・梅花藻等の水草が見られ、ビワマスも確認できた。
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2024年
11月13日栗東自然観察の森 滋賀大学環境学習支援士会
橋田卓也先生
前田雅彦先生校外学習:ウオーキングから自然観察へ
午前に自然観察の森の散策:紅葉する木々、どんぐりの説明を聞きながら散策
途中でブルーシートに寝転んで森林浴を体験し、自然を身近に感じて印象深かった。
午後の講義:ウォーキングの効果を学習、特に月1度森林浴でリラックスでき、免疫力向上に効果があるそうだ。
里山・森林の役割を学習、保全を行うことで自然災害を軽減し、木材を活用してCO2削減に貢献したい。
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2024年
11月20日介護研修室 びわこ成蹊スポーツ大学名誉教授
青木豊明先生琵琶湖の水環境 流入河川など・・・近くの川の水質調査を行った。
琵琶湖: 近畿内の1480万人の水源(西:明石の一部、南:大阪府南端まで琵琶湖の水を利用)
各自の自宅周辺の水路から水を採取して持ちより、水質検査を実施した。
【水質検査結果】
COD:化学的酸素消費量
数値が高いと有機物(汚染物質)が多く 飲料に適さない
硬度:CaイオンとMgイオンの量
軟水:硬度10~100、硬水:硬度150~200 水道法の規格:硬度300mg/ℓ以下
電気伝導度:
水中の不純物(イオン)が多いと数値が高くなる
電気伝導度(イオン量)と硬度に正の相関がみられる2024年
11月20日介護研修室 滋賀県 琵琶湖環境部
環境政策課滋賀県と琵琶湖のあらまし他
・琵琶湖の学術研究状況(琵琶湖環境科学研究センター研究内容)の説明と琵琶湖の環境と生き物などの変化について講義をうけた。
・琵琶湖に流入する汚染負荷量が減少して水質が改善してきたが、貝類を中心に漁獲量の減少は止まっていない。
・年間平均水温の上昇が続き、植物プランクトンの種類が変化:サイズ15μm→40~100μmと大きくなり、同サイズのミジンコが食べられなくなり、動物プランクトンが増えていないことが原因か?
琵琶湖保全再生計画(平成27年9月28日制定)
琵琶湖を「支える」→「守る」→「活かす」のサイクルを回すように運営していく
Mother Lake Goals
琵琶湖版の SDGs として、2030年の環境と経済・社会活動をつなぐ健全な循環の構築に向け、 琵琶湖を切り口とした独自のゴールを設定2024年
11月27日醒ヶ井養鱒場 滋賀県醒ヶ井養鱒場場長
桑村邦彦先生
元県立虎姫高校教諭
村井利美先生校外学習:醒ヶ井養鱒場・・・特色ある滋賀の内水面漁業・養殖業の活性化をめざして -魚の採卵受精実験
地蔵川・・・「居醒の清水」を水源とする地蔵川での淡水魚「ハリヨ」と淡水植物「梅花藻」の観察
醒ヶ井養鱒場・・・明治11年(1876年)設立の日本最古の養鱒場(県立、運営:米原漁業組合)
豊富な霊山の湧水を利用し、ビワマス、ニジマス、イワナ、アマゴの養殖、研究をしている。
・養鱒場の周りは紅葉が盛りできれいであった。(温暖化による紅葉の遅れを感じた)
・ニジマスの人工授精を実習。5班に分かれ各班で1匹ずつニジマスの雌から採卵し、雄の精子を授精させた。
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地蔵川・・・霊山山系からの豊富な水量をもつ清流でバイカモが見られ、湧水にはハリヨがいる。
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・ハリヨ・・・メダカサイズ、トゲウオの仲間で湧水(水温15℃)に棲む絶滅危惧種(滋賀と岐阜の2個体群のみ)
琵琶湖博物館で撮影
2024年
12月11日草津市立クリーンセンター 校外学習:草津市立クリーンセンター(一般廃棄物の処理場)
・ゴミ投入から最終段階まで順に見学。850℃以上で焼却され、ボイラーで発生した蒸気は蒸気タービン発電機を回して発電(最大3100㎾)。電気は施設内で使用し余分を売電している。→ 焼却場から発電施設へ
・リサイクル施設では、分別され、リサイクルされるまでの流れを学習した。
・環境問題をより身近に感じた。ゴミピットの空気を送風機で焼却炉に送るため、施設内はゴミのにおいがしない、また焼却熱を利用した発電等再生エネルギーを生み出しており、非常に感銘をうけた。
2024年
12月11日介護研修室 環境カウンセラー
井阪尚司先生びわ湖の現状と課題
琵琶湖と流域河川の問題点ついて受講した。
・環境改善で二ゴロブナ、ホンモロコ、ビワマス資源量は改善しつつあるが、湖底環境の変化により貝類(瀬田シジミ)が激減。アユも重要な産卵場の姉川が2022年の洪水で川床が泥に覆われ産卵数が大きく減少。
・マイクロプラスチック等のゴミもこれからの課題。
・温暖化で、大型の植物プランクトンが多く発生し、食物連鎖が乱れてきている。
令和3年策定の滋賀県CO2ネットゼロ社会づくり推進計画で、2050年までのCO2ネットゼロ社会づくりを推進2025年
1月8日介護研修室 滋賀大学教授
石川俊之先生湖にはどんな生物がいるのだろう?
琵琶湖、バイカル湖など古代湖は最終氷河期よりも古くからある。構造湖であり断層によって沈降しているため湖が埋まらずに存在している。
2011年の調査で琵琶湖の生物は少なくとも1,769種で、日本の淡水生物の1/3が生息している。
琵琶湖を代表する「アユ」と「ビワマス」から形や口の開き方などの特徴から分類学的なグループ分けができることを学んだ。2025年
1月8日介護研修室 琵琶湖環境部琵琶湖保全再生課
寺内俊二先生琵琶湖の環境保全について
琵琶湖の課題は変遷してきており、治水(水害、水不足)から公害問題を経て、生態系の保全に移ってきた。
具体的には、水草対策、ヨシ群落の保全、マイクロプラスチックへの対応、内湖の再生等について学んだ。2025年
1月22日介護研修室 地球温暖化防止活動推進員
土佐洋志先生私たちの暮らしと地球温暖化
地球温暖化について。IPCC、COPの説明と日本の温室効果ガスの削減目標について。
・滋賀県の地球温暖化による影響(猛暑日の増加、降雪量の減少、生物への影響)→琵琶湖は死の湖になる?
・熱中症対策・感染症対策と各自の取組(家庭での緩和策)の内容について具体的に説明された。2025年
1月22日介護研修室 大阪ガスネットワーク(株)
主席研究員
前田章雄先生私たちの暮らしとエネルギー
日本の1次エネルギーの内訳と消費量についての説明や世界の1次エネルギーの流れや歴史と政界情勢やそれも伴うリスクについてわかりやすく説明いただいた。2025年
2月5日介護研修室 滋賀県立大学工学部
教授
山根浩二先生天ぷら鍋から燃料タンクへ -バイオディゼル燃料の製造、品質、利用技術-
植物からバイオアルコール、バイオディーゼル(BDF)を作製、天ぷら廃油(植物油)からもBDFを作る事ができる。
BDFは、酸化劣化しやすいので酸化防止剤が必要、また低温では粘度が上がりエンジン始動性が悪くなる。
軽油への混合制限、副生グリセリンの活用方法の検討が必要など課題がまだ多い。
微細藻類からバイオジェット燃料製造など緊急性に高いものから量産化へ(25年プラント設置→30年100万㌧/年へ)2025年
2月5日介護研修室 守山市ほたるの森資料館館長
古川道夫先生ホタルと環境
ホタル:日本に約50種(世界で約2000種)、ゲンジボタルとヘイケボタルは幼虫が水中で育つ世界的に珍しい種
守山市はゲンジボタルの群生地だったが、戦後環境悪化や水源の減少でほぼ絶滅。市は「ホタルのよみがえる街」事業に取り組み再生に努めた。
雄と雌は互いの発光を確認して交尾する→夜は街の灯りが少なく互いの発光を確認できることが重要な生息条件になる。2025年
2月19日介護研修室 滋賀大学教授
石川俊之先生琵琶湖の生物の特徴とは?
琵琶湖のフナ(二ゴロブナ、ギンブナ、ゲンゴロウブナ)の食性とエラ・腸の発達の関係を学ぶ。
・エラは呼吸と餌を水からこしとる役割を持ち、腸は植物を消化する場合に発達して長くなる。
ゲンゴロウブナは酸素が多い浅瀬で植物プランクトンを捕食。エラはこしとる機能が発達し、腸も長い。
二ゴロブナ:肉食(スジエビ、昆虫の幼虫、動物プランクトン)で腸は短い。ギンブナ:雑食(エビ、藻)
その他、貝類、底生甲殻類、端脚類、等脚類等の特徴を学び、水産資源保護の取組についての講義を受けた。2025年
2月19日介護研修室 龍谷大学名誉教授
竺文彦先生生ごみの堆肥化技術と収集システムについて
ドイツでの生ごみ処理について学んだ(堆肥化とメタン発酵による発電)。
ドイツは、焼却による発電の他に分別した生ごみを密閉区画で乾式で発酵(堆肥化)させ、発生したメタンで発電。
日本では、生ごみも焼却して発電しているが、水分が多いためロスが多くもったいないそうだ。2025年
3月5日あいとう
エコプラザ
菜の花館あいとうエコプラザ
NPO法人
愛のまちエコ倶楽部
三待 栞
坂本 良哉47都道府県に広がる 「菜の花エコプロジェクト」 発祥の地を訪ねる
東近江市の地域資源循環システム「菜の花エコプロジェクト」について学習した。
・転作田で菜の花を栽培し、菜種油の搾油と販売を行い、学校給食・家庭の廃油を引取りBDFや粉末せっけんを作製
地域でカーボンニュートラルを進めている。 * BDF(Bio Diesel Fuel:バイオディーゼル燃料)
→BDF製造体験とBDFを使用したゴーカートの試乗を行った。
・もみ殻を炭化させ燻炭を製造→土地改良資材や苗床土に利用、排熱も温水にして給湯、床暖房、搾油プラントに使用
もみとして吸収したCO2が再発生しないので、排出権取引を利用し炭素クレジット売却し、農家に還元している。
BDFを燃料して走るゴーカートに試乗と施設の見学。