43期生2年前期の講師を務めていただく、神﨑秀策先生を紹介します。
1983年 滋賀県信楽町生まれ 2004年 京都府立陶工高等技術専門校修了 2005年 日本伝統工芸近畿展入選(以後入選多数) 2012年 第59回日本伝統工芸展入選 2013年 第60回日本伝統工芸展入選 2014年 第2回陶美展入選 2015年 第44回日本伝統工芸近畿展新人奨励賞、第62回日本伝統工芸展入選 2016年 第27回秀明文化基金賞 2017年 第5回陶美展入選 2018年 現代形の陶芸萩大賞IV入選、第65回日本伝統工芸展入選 第 3 回 日本陶磁協会奨励賞 関西展 入選 2020年 第67回日本伝統工芸展入選 |
43期生2年目がスタートしました。2年前期の講師は灘先生から神﨑秀策先生へとバトンタッチされました。神﨑先生の授業は来年3月までの予定で、その間、石膏型を使った組皿作りと転写シートの活用、楽茶碗、急須といったテーマに取り組みます。 今日は丸二陶料さんが来られており、転写シート、下絵の具、色粘土、その他諸道具の購入機会を作っていただきました。そのあと、粘土を使って、石膏型を作る原型の作成にかかりました。久し振りに粘土を触るとワクワクが止まりません。明日は原型に石膏を流し込んで型作りを行います。 |
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今日は昨日作った型に石膏を流し込みます。まずは水に石膏を溶かしていきます。石膏100に対して水65(重量比)、水分が多いほど細かい型に入り込みやすいが、その分軟らかくなります。また、この比重は石膏の質によっても異なるようです。容器に入れた水に少しずつ石膏を加え泡を立てないようによく撹ぜます。3分程度で十分石膏が溶けたところで、型に流し込んでいきます。静かに、かつ早く流し込みます。固まるのが早いので、1回で3人分の型に流し込むのが限度です。流し込んだら型を少し揺らし、石膏に含まれた気泡を抜き表面が平らになるようにします。午前中に全員が型に流し込み、午後からは石膏型を剣先やカンナを使って削り仕上げていきます。このあと、時間をかけてしっかりと乾かし、次回11月の授業でヤスリをかけ仕上げることになります。 |
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今日は10月の授業で作った石膏型を使って、組皿を作ります。目標は5組!(時間的に厳しい~居残り必至) まずは、久しぶりに粘土の荒練りと菊練りから。先生の菊練りはお見事!熟練の技を見せていただきました。この菊練りの技術を修得されるまでに相当の時間を積み重ねられたそうで、私たちの菊練りが中々菊模様にならないのも致し方ありません。アンモナイトになればいいほうです。粘土の中からいかに空気を抜くか、この後のタタラづくりでその成果が表れてきます。菊練りのあとはタタラづくり、そしてタタラを一枚ずつ丁寧に締めていきます。今回はこの締めの作業の"丁寧さ"をしっかりと教わった気がします。次の工程はいよいよ石膏型にタタラを被せる型作りですが、石膏型に布を被せる方法と片栗粉をまぶす方法があります。いずれも石膏型から粘土をはずしやすくするためのもので、今回の5枚程度の製作では片栗粉で十分でした。石膏は水を含みやすく、水を含むと石膏型に粘土が付着しやすくなるので、大量に製作する場合は布を使用したほうがいいようです。石膏型にタタラ状の粘土を被せて、さらにその上から布を被せて型に沿って形を整えます。最初の想像ではこんなに上手く粘土が型に沿って変形するとは思っていなかったので、ある種“感動もの”でした。丁寧に粘土を型に合わせて整えた後はハミ出た粘土をカットし仕上げの工程となります。このカットが中々難しく、5枚とも同じようにカットするのは至難の技。ここで気づくのは、石膏型づくりの時からこの工程をイメージすること。最後はなめし革で口辺を整え完成です。定刻の3時までに作業が終わらない方が続出。結構疲れました。 |
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今日は楽焼茶碗を1つ、時間があれば+ぐい呑み1つが目標です。 楽焼用の粘土は、京都の清水団地にある泉陶料の土がベストとか(神﨑先生談)。各自1キロの粘土を800グラム(楽茶碗)と200グラム(ぐい吞み)に配分。今日は玉づくりで作っていきます。でも灘先生に教わった手法とは異なり、皆しばし困惑の様子。手順はこんな感じです。球体に整えた粘土をロクロの中央部分に置き平らに円形に伸ばしていきます。時計の11時くらいのところを掌で押すように叩くとロクロが勝手に回り始めます。2センチ弱の厚み(高台+底)になるまで(=ロクロの外側から2本目のライン)円形に延ばし、周りから粘土を立ち上げます。作陶イメージは分厚く作って削るという作業になります。口径、高台、高さの割合は、10対5対7の割合で、内側は茶筌が振りやすいように茶碗の腰の部分を広げます。また茶巾で拭きやすいように茶碗の上部は心持ち狭める感じになります。上部は五段に谷を作り、呑み口の正面を決めます。口辺部は少し内側へ、最後はなめして仕上げる。五段の谷は最終的に残す必要はないようです。昼休みを使っても足りず、ドライヤーで十分に乾かしてから高台と腰の厚みを削っていきます。800グラムの粘土の塊が500グラムを下回るくらいまで削るのが目標です。最後に全体をなめし革等で整えたあとは、化粧泥を刷毛で塗って完成。素焼きを待ちます。ここまでで定刻の15時を過ぎ、連日の居残りとなりました。大胆な削りで茶碗に穴を開けてしまった方はお持ち帰りになりました。 |
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12月最初の基礎講座の日、早朝9時より11月に作った組皿の素焼き窯詰めを行いました。全体のボリュームは少ないのですが、全てがお皿ということで、かなりアクロバチックな窯詰めとなりました。また、今までに比べて、窯詰め段階での破損が多く見受けられたのが”謎”でした。タタラの段階での締め方が甘かったのか、丁寧に扱っているつもりでも”少し油断があった”のか、乾燥のさせ方にムラがあったのか、多分それぞれの原因が複合したのでは?というのが先生の見立てでした。 |
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先週に続き、基礎講座の開講前の窯出しと窯詰めです。組皿と課題学習”釉薬チーム”のテストピース・猪口がうまく焼けました。そして、楽茶碗の素焼き窯詰めです。こちらもゆったりと窯詰めできました。組皿と楽茶碗は次回陶芸の授業で釉掛けを行います。 |
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今日は楽茶碗の素焼き窯出しからスタートです。無事、全ての作品が焼き上がりました。楽茶碗は明日釉掛けして1月にレイカディア大学の駐車スペースに耐火煉瓦を積上げて窯を造り、本焼きの予定です。楽しみです。 今日の授業のメインは、素焼きした組皿に下絵用転写シートを使って絵付けする工程の学習です。この場合要注意なのは、素焼きした作品の“ヤスリ掛け”です。基本的に、神﨑先生は素焼きした作品の“ヤスリ掛け”は行わず、素焼き前の完成度を高めること、“ヤスリ掛け”は底面のバリを取ることだけに止めるという方針です。ヤスリを掛けるとその粉が絵付けや釉掛けの障害となるためです。ヤスリを掛けたならしっかりと水洗いしてしっかりと乾かす必要があり、水を含んだスポンジでの除去では不十分という判断のようです。エアコンプレッサーを使えばどうか、という疑問は残りましたが、当たり前のように素焼き後に“ヤスリ掛け”していた人には耳の痛い話でした。 転写シートは、連続した模様を繋げる場合や曲面への転写は緻密な作業が必要になります。予め準備した”ぬるま湯”を含ませたスポンジや太筆で、転写シートの上から軽く抑えていくと見事に絵柄が転写されます。一部うまく転写されない人もいましたが、転写シートに問題があるのか、ヤスリ掛けの問題か、テクニックの問題か、定かでないところはありますが、概ね上手くいったようです。午後からは透明釉の釉掛けです。この日は天候が不安定であったことや透明釉だけの使用であったため、教室内で行いました。灯油窯への窯詰めを行い、この日の授業を終えました。 |
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この日は焼成室で、昨日窯詰めした灯油窯での本焼きを行いつつ授業が進められました。午前中は釉薬についての座学です。この1年、釉掛けを実体験してきましたが、あらためて釉薬の基本について学ぶ機会となりました。 釉薬の成分を3つに分けると「塩基性成分」「中性成分」「酸性成分」の物質からできています。 「塩基性成分」は釉薬を”溶かす”役割があり、アルカリ質の媒熔原料で、草木の灰や石灰がこれに該当します。「中性成分」は釉薬と素地粘土を“接着させる”役割があり、アルミナのことです。「酸性成分」は高温で溶けて“ガラスになる”役割があり、シリカ(珪酸)のことです。つまり、釉薬とはアルカリ質の媒熔原料(灰)・アルミナ・シリカから出来ているといえます。 媒熔原料は酸化カルシウムなどの石灰質で、あらゆる灰のほか、微量ですが長石にも含まれる成分です。草木灰ならば植物由来(灰立て)の釉薬、石灰石を粉にしたものは石由来(石立て)の釉薬と言えます。アルミナは酸化アルミニウムの総称で、主に粘土や長石に含まれる成分です。シリカは二酸化ケイ素のことで、主に珪石(=石英)や長石、灰に含まれるガラスの素です。 釉薬の調合で、この3つの成分がどれくらいずつ含まれているかによって、釉薬の性情や熔融温度などをある程度認識できます。また、どの塩基性成分を使うかによって、釉薬の表情・性質が変化します。 釉薬の授業の解説をしだすとキリがないので、この程度にしておきます。 そして午後からは楽茶碗用の透明釉の調合と釉掛けです。粉末の楽焼透明釉にCMC溶液を加え乳鉢でよく擂り、最後は裏漉しして“天ぷらの衣よりやや緩い(個人の感想です)”くらいの粘度になるまで溶かしていきます。この溶液を刷毛を使って茶碗の内側から一気に塗っていきます。何度も重ね塗りすることのないように、たっぷりと刷毛に釉薬を含ませ、少ないタッチでまんべんなく塗るのがコツです。内側が乾いてから、茶碗の外側を高台まで、同じ要領で塗っていきます。なかなか、これも難しい作業でした。来年の焼き上がりを楽しみに取っておきます。 |
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昨年12月23日に組皿の本焼きを灯油窯から窯出ししたところ、ほとんどの作品が“生焼け?”状態でしたので電気窯で焼き直しを行いました。今日、年明け初日の基礎講座の昼休みを利用して窯出しを行いました。無事?焼き直しができていたようで、いずれの作品も転写シートによる絵付けが綺麗に仕上がっているようでした。 |
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今日の授業は、先月1月25日の振替授業。10年に1度と言われる大寒波が襲来。滋賀県南部でも24日の夕方から降り始めた雪がみるみる積もり、久し振りに20cm前後の積雪を記録しました、当日は駐車場に耐火煉瓦を積み上げた窯を造り、”楽茶碗の本焼き”をする予定でしたので、1週間の延期となりました。また、神﨑秀策先生が首痛のため”電動ロクロの実体験”が出来なくなったため、奥様の桝本佳子先生に臨時講師を務めていただくことになりました。 まずは、先日本焼きを終了した”組皿”の講評です。ご夫婦の前で各自が作品紹介を行い指導を受けました。皆さん、転写シートをうまく使いこなされ、見事な作品がたくさん出来上がりました。 |
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神﨑先生に持ち込んでいただいた耐火煉瓦を積んで、窯を2基造りました。先日来の雪が残り、足元がかなり悪くなっています。通風孔を山側に設けて、中断に網を挟みこんで煉瓦を積み上げます。 |
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臨時講師、桝本佳子先生の出番です。動物の置物を作るというテーマでお手本を見せてもらったあとで、各自個別指導を受けました。また機会があれば教えていただきたい、と皆さん思っています。 |
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前日と打って変わって厳しい寒さの朝を迎えました。9時30分頃から、七輪で火起こし開始。駐車場の山側は雪が残り、足元は溶けた雪で”ぐちゅぐちゅ”の最悪の状態、極めて高い湿度の中で、炭の燃焼具合も遅々として進まず窯内の温度を上げる作業は想像以上に苦労しました。過去の経験ではBBQに熟練したメンバーは、こういう時に大活躍されますが、我が学科には”その手の経験者”が男女問わずそこそこおられることに改めて気づくことになりました。窯の火勢がある程度満足できる状態になったところで、まずは神﨑先生にご自身の作品の窯入れから窯出しまでの一連の流れを実演していただきました。 手順は、窯の蓋の上に椀を伏せて予熱を与えた後、火バサミで慎重にお椀を挟み持ち上げ窯の中に置き、最初の1~2分で炙り、その後10~15分ブローをかけながら本焼きします。途中、釉薬の溶け具合を確認しながら、ブローを止め本焼き終了です。窯は2基、一回につき2椀、全員の楽茶碗の本焼きが終了したのは12時40分頃でした。最後は、1基の網が熱で溶解して作品も落下。でもなんとか、茶碗に損傷はなく無事焼き上がりました。 昼食後は、各自作品を個々に紹介し、先生から講評、アドバイス、解説をいただきました。それぞれの作品には、おのおの異なった”景色”がうかがえ、味のある作品が仕上がりました。 |
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神﨑先生の指導による作陶は今日、明日が最後になりました。テーマは急須または土瓶。難易度は非常に高いらしい。 まずは先生のお手本、久し振りに”紐づくり”からのスタートです。紐の太さがうまく整わないメンバーは、器の高さが歪になり四苦八苦です。急須づくりの一つ目の難関は”口縁造り”。先生から二通りの技を見せていただきましたが、どちらも難しい。次の関門は胴に”コテ”で丸みをつけていくところ。少しづつ丁寧に膨らませていきます。本体の後は蓋造り、そして注ぎ口、把手、と続きます。各自、進捗は様々でしたが居残り組も16時まで、明日に備えて早めに下校しました。 |
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今日は昨日の続きで、昨日のうちに胴と蓋までを完成、または今朝早出して完成ということを前提にスタートです。まずは、注ぎ口と把手のタタラづくりでの成形、ポンスを使った茶漉し部分の成形、高台と胴部分の削りについて、先生による実演がありました。午前中の難所は、ポンスを使った”茶漉し”部分の成形でした。等間隔でバランスよく穴を開けるのは、本当に難しかったです。 |
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午後からはこれまで作成してきたパーツの組み立てです。胴に穴を開け、まず茶漉し部分の取り付け、注ぎ口、把手の取り付けと進み完成です。中々時間内に完成まで至らず、居残り組が多数発生しました。15時前に、今回が最後の授業となる神﨑先生にお礼の言葉と記念品を贈呈しました。先生、半年間ありがとうございました。 。 |
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最後に神﨑先生と助手先生と学生、総勢25名で記念写真です。事務局の川口さんにご足労いただき、シャッターを押していただきました。 |
先日素焼きした急須と動物の置物に下絵付けと釉掛けを行い、窯詰めを行いました。この日は授業はなく、翌日からは金沢研修旅行が控えていましたが、午前中にほぼ作業を終えました。久し振りに、雲ひとつない青空のもとでの釉掛けでした。 |
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