薬膳料理の概要 | ウィキペディアより |
薬膳料理の起源 | 同上 |
食薬&味覚の概念 | 同上 |
食品の分類 | 同上 |
2021年7月19日 | 草津駅前888にて薬膳料理楽しむ |
2021年7月16日&8月20日 | かねよ(逢坂山&瀨田) で鰻料理楽しむ |
2021年8月2日 | 石山寺近くの喫茶去にて薬膳料理楽しむ |
2021年8月6日 | 比叡山延暦寺会館 精進料理楽しむ |
2021年9月21日 | 自然食料理体験 手作り舎ふぁーもあ(野洲) |
2021年10月21日 | とろりん 自然薯料理(栗東) |
1.薬膳料理の概要
生薬の原料や材料として用いられる海松子、金針菜、枸杞、紅花、山査子、銀耳、大棗、蜂花粉、百合、竜眼肉等を用いた料理のみならず自然界にあるもの全てを食物ととらえ、日本語の造語である医食同源のような考えの下に、個々人ごとに異なる体質や臓器に適した食物をどのように摂ることが効果的かを重視し、中国医学における帰経(きけい)や、予防医学の見地から作られる料理。
2.薬膳料理の起源
食・薬・医の数千年の歴史から見ると、まず食からの「食薬同源」「食医同源」の思想が生じ、次に中医薬学が発展した。『黄帝内経』には“五穀、五果、五畜、五菜”に補益精気の医療作用ありと解説されている。
〇五穀:麦、黍、稗、稲、豆;穀類は主な食材として五臓を養う。
〇五果:スモモ、杏、大棗、桃、栗;果物は五臓の働きを助ける。
〇五畜:鶏、羊、牛、犬(馬)、豚;肉類は五臓を補う。
〇五菜:葵、藿、薤、葱、韭;野菜により五臓を充実させる。
このように、多くの食材をバランスよく組合せることで身体の精気を補うことが出来る。
さらに食材によってそれぞれ対応する臓腑に特定の効果がある。
3.生薬
中国では、中薬(ちゅうやく)という。薬膳に用いられることの多い食品の内、代表的なものは
〇海松子(かいしょうし): 松の実
〇金針菜(きんしんさい): ユリ科のホンカンゾウの花のつぼみ
〇銀耳(ぎんじ): 白木耳(しろきくらげ)
〇枸杞子(くこし): 一般にクコの実と呼ばれ、ナス科植物のクコまたはナカバクコの果実を干したもの。
〇紅花(こうか、べにばな)
〇山査子(さんざし): バラ科のサンザシの実
〇大棗(たいそう): クロウメモドキ科サネブトナツメの実
〇蜂花粉
〇百合(びゃくごう): ユリの根
〇竜眼肉(りゅうがんにく)ムクロジ科リュウガンの仮種皮
〇甘草(かんぞう): マメ科のカンゾウの根
〇解表類(かいひょうるい)
〇清熱類
〇祛湿類(きょしつるい)
〇温裏類
〇理気類
〇理血類
〇消食類
〇化淡止咳平喘類(かたんしがいへいぜいるい)
〇補益類
〇収渋類(しゅうじゅうるい)
4.食薬&味覚の概念
医食同源における五行の考えを取り入れた上で、食薬を「熱、温、涼、寒」に分ける。
そして摂取した際に体内が「熱、温」または「涼、寒」に感じた食物を分類する。
どちらも属さない食薬を「平」という。
これらは体質、疾病の寒熱性質と相対して定義され、四気(五気)という。
また、食薬の味覚において、「酸、苦、甘、辛、鹹」の五つにわけ、それぞれ以下の作用があるとする。
〇「酸(渋)」:収斂、固渋の作用
〇「苦」:瀉下、燥湿の作用
〇「甘」:補益、和中、緩急の作用
〇「辛」:発散、行気、活血、滋養の作用
〇「鹹」:軟堅、散結、瀉下の作用
味のはっきりしない食品(食薬)もあり、これを「淡」という。
〇「淡」:滲泄、開竅、健脾の作用
以上を五味(六味)という。これらあわせて四気五味(五気六味)という。
医学的見地においてこれら五行の体感は自律神経によるもので、例えば冷え性は血管の収縮や弛緩を調整する働きの不調から起こるため、これらを改善する成分を含む食品を摂ることが薬膳の考え方。
5.食品の分類
〇熱温性食品(温性食品)
一般に成長が遅く水分が少なく小さくて硬い食品と言われ、緑黄色野菜や血行を良くするビタミンEや、糖質の分解を助けるビタミンB1等が含まれる食品。
カボチャ、栗、クルミ、ニンニク、ニラ、葱、玉ネギ、ラッキョウ、山椒、胡椒、唐辛子、芥子、生姜、シソ、パセリ、人参、春菊、蕗、山菜、ウナギ、ナマコ、マグロ、鯛、蜂蜜、カキ、牛肉、羊肉、鶏肉、餅、味噌、酒(酵造酒)、ビール、酢
〇涼寒性食品(涼性食品)
一般に成長が早く水分が多く大きく柔らかい食品と言われ、腎機能を高め利尿作用を助ける成分が含まれる食品。
茄子、トマト、胡瓜(キュウリ)、セロリ、牛蒡、ホウレン草、柿、キウイフルーツ、バナナ、枇杷、豚肉、レモン、ミカン、梨、林檎、西瓜(スイカ)、パイナップル、柚子、アスパラガス、チシャ、苦瓜、 蕪、モヤシ、冬瓜、そば、緑豆、アサリ、シジミ、鮑、蛤、雲丹、蛸、蟹、牛乳、醤油、塩、味噌、豆腐、小麦、キンカン、夏ミカン、ポンカン、いよかん、イチゴ、ザボン、干し柿、メロン、マンゴー、サトウキビ、マクワウリ、空心菜、ナズナ、クワイ、たけのこ、ユリネ、蓮根、マッシュルーム、緑豆、小豆、おから、白身、ワカメ、テングサ、海苔、コンブ、ひじき、鰯、タニシ、蜂蜜、緑茶(日本茶)、ジャスミン茶、ウーロン茶、胡麻油、サフラン、アロエ、ハッカ、ドクダミ、粟、ツルムラサキ
〇平性食品
レモン、大根、納豆、玄米、ジャガイモ、大豆、サンマ、里芋、鶏卵、葛、ハトムギ。キャベツ、トウモロコシ
〇昇降浮沈
上記以外にも食薬の作用傾向がある。
「昇・浮」:上昇、発散の意味。「甘」「辛」の味、温熱性のもの、花、葉のような軽いものは「昇」「浮」の傾向がある。
「降・沈」:下降、泄利の意味。「酸(渋)」「苦」「鹹」の味、寒涼性のもの、茎、根、実、石、貝類のような重いものは、「降」「沈」の傾向がある。
〇帰経
食薬の作用と臓腑、経絡を結び付け、主な作用を定位するのが帰経である。食薬が人体の特定部分に作用し、また食薬の色、性味によって入る(効果のある)臓腑も異なるとされる。
〇五味
「酸味」は「肝経」に入りやすいので適量な酸味は肝を養うことができる。
「苦味」は「心経」に入りやすいので、夏に心(しん; 心臓の意)の働きが活発な時に摂取し心の熱を取除くと良い。
「甘味」は「脾経」に入りやすい。したがって、適量な甘味は脾を養う。
「辛味」は「肺経」に入りやすい。適量な辛味は、肺の働きを助けて風邪の予防をすることができる。
「鹹味」は「腎経」に入りやすいので、適量な鹹味は腎を養う。
〇配伍
実際に薬あるいは食物を使用する時は、単体で使うことが少ない。最も多く使用するのは二品以上である。また、それらをお互いに配合する関係が七通りあり、このことを「配伍七情」という。
単行:単味の食薬を使用する。
相須:同じ効能を持つ食薬を一緒に使うと効果を増加させる。
相使:一方を主とし、他方を輔とすることにより他薬が主薬の効果を増加させる。
相畏:主になる食薬の毒性反応あるいは副作用を他の食薬によって削除または軽減させること。
相殺:相畏の裏返しの関係。他の食薬の不良作用が主の食薬により削除、軽減されること。
相反:二種類以上の食薬を合わせて使うことにより副作用が生じること。
相悪:二種類以上の食薬を合わせて使うことにより作用が低減し、無効になること。