私たち第44期園芸学科Aが学ぶ『学習内容』は、大きく分けて①.基礎講座と②.選択講座があります。
ここでは、2年間学んだ 『➁.選択講座』 の概要を書いています。
この講座では以下のような目的で行われ、非常に興味あり勉強になるバラエティーに富んだ講演・講義でした。
≪選択講座≫
・ 講義と実習で園芸に関する広い知識・技能を習得します。
・ 花壇の整備や樹木の剪定、野菜作りなどの実習授業により、より実践的な知識を深め様々な活動に役立ちます。
(参考:基礎講座)
・シニアに必要な知識と教養を、「豊かに生きる」、「健康づくり」、「社会参加」、「くらしと地域」などをテーマとして座学で学びます。
・座学以外にも、ボランティアや地域の活動を体験的に学ぶ「地域活動体験学習」や、県内の名所等での「校外学習」など、多彩な講座を受けます。
≪第44期(1年)前期の選択講座 : 2022年10月~2023年3月≫
開催月日 | テーマ | 講師 (敬称略) | |
10月12日 | 全日 | 庭木のことを理解しよう 滋賀県内の巨木・名木紹介 |
樹木医 信田 繁治 |
11月 2日 | 全日 | 樹木管理の基本 木を診る 木を知る |
樹木医 中西 肇 |
11月16日 | 全日 | 樹木の名前を覚えよう 樹木の観察(ウオッチング) |
樹木医 信田 繁治 |
11月30日 | 全日 | 果樹栽培の基礎 | 元滋賀県立八日市南高校 教諭 松原 治夫 |
12月 7日 | 全日 | 里山整備とリースづくり 【大学周辺森林】 |
樹木医 信田 繁治 |
12月21日 | 全日 | 洋風寄せ鉢づくり(正月用) シクラメン・ランの育て方 |
フラワーアレンジメント講師 水島 たず子 |
1月18日 | 全日 | 剪定の基本 道具の使い方 |
樹木医
中西 肇
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2月 1日 | 全日 | おいしい果樹の育て方 苗選びと植付け・施肥・かん水 果樹の鉢(ポット)栽培 |
元滋賀県立八日市南高校 教諭 松原 治夫 |
2月15日 | 全日 | 果樹の剪定 | 元滋賀県立八日市南高校 教諭 松原 治夫 |
3月15日 | 全日 | 植物の種類と品種 【校外学習】 |
樹木医 信田 繁治 |
3月29日 | 全日 | げんげん元気な手作り園芸 春の家庭菜園 土づくり |
元滋賀県立八日市南高校 教諭 松原 治夫 |
≪第44期(1年)後期の選択講座 : 2023年4月~2023年9月≫
開催月日 | テーマ | 講師(敬称略) | |
4月19日 | 全日 | げんげん元気な手作り園芸パート2 春の家庭菜園の作り方 (苗の植付け) |
元滋賀県立八日市南高校 教諭 松原 治夫 |
4月26日 | am | 手軽に楽しむ 菊作り① ・大菊(盆養三本立て・だるま・福助作り)、小菊(玉・懸崖・盆栽作り)について ・さし芽(実習) |
奥村 道弘 |
pm | 花壇用花苗の種播・草花の管理 | フラワーアレンジメント講師 水島 たず子 |
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5月17日 | 全日 | 剪定実習 松の剪定 (松のみどり摘み) |
樹木医
平塚 英史
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5月31日 | am | 手軽に楽しむ 菊作り② | 奥村 道弘 |
pm | 果樹と野菜の病害虫防除 | 元滋賀県立八日市南高校 教諭 松原 治夫 |
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6月7日 | 全日 | 花壇作り | フラワーアレンジメント講師 水島 たず子 |
6月28日 | 全日 | 樹木管理 剪定実習 |
樹木医 平塚 英史 |
7月12日 | am | 地球温暖化とびわこ地球市民の森 【びわこ地球市民の森】 |
びわこ地球市民の森 江見 和綽 |
pm | 森づくり活動(実習) 【びわこ地球市民の森】 |
樹木医 平塚 英史
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8月30日 | 全日 | 果樹の糖度調査 土づくり(秋野菜の植付け準備) |
元滋賀県立八日市南高校 教諭 松原 治夫 |
9月13日 | 全日 | 秋の家庭菜園の作り方 (苗の植付け) |
元滋賀県立八日市南高校 教諭 松原 治夫 |
9月27日 | 全日 | 秋の草花の播種(実習) | フラワーアレンジメント講師 水島 たず子 |
≪第44期(2年)前期の選択講座 : 2023年10月~2024年3月≫
開催月日 | テーマ | 講師(敬称略) | |
10月18日 | 全日 | 果樹の収穫実習 【愛東方面】 |
元滋賀県立八日市南高校 教諭 松原 治夫 |
10月25日 | 全日 | 秋の花壇づくり | フラワーアレンジメント講師 水島 たず子 |
11月 8日 | 全日 | おいしい果樹の育て方 整枝・剪定と病虫害対策 【琵琶湖もりやまフルーツランド】 |
元滋賀県立八日市南高校 教諭 松原 治夫 |
11月15日 | 全日 | 県内の巨木、名木を訪ねる 【湖東方面】 |
樹木医
信田 繁治 |
11月27日 | 全日 | 盆栽展の鑑賞と寺社庭園見学 【京都市内】 |
樹木医 中西 肇 |
12月 6日 | 全日 | 収穫した野菜で料理づくり 【調理実習】 |
滋賀県栄養士会副会長 清水 満里子 |
12月13日 | 全日 | 松竹梅の作り方と管理 松の管理(実習) |
樹木医 中西 肇 |
1月17日 | 全日 | 樹木の冬期剪定実習① | 樹木医
平塚 英史
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1月31日 | 全日 | 樹木の冬期剪定実習➁、樹勢回復 | 樹木医 平塚 英史
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2月21日 | am | 森の手入れ作業 【びわこ地球市民の森】 |
樹木医 平塚 英史
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pm | シイタケの作り方 【びわこ地球市民の森】 |
樹木医 信田 繁治
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3月 6日 | 全日 | 春の山野菜の寄せ植え(実習) | フラワーアレンジメント講師 水島 たず子 |
3月13日 | 全日 | 課題学習中間報告会 | ― |
≪第44期(2年)後期の選択講座 : 2024年4月~2024年9月≫
開催月日 | テーマ | 講師(敬称略) | |
4月10日 | 全日 | ロープワーク 生垣つくり(実習) | 樹木医 平塚 英史 |
4月17日 | 全日 | 樹木の種類と管理 【農場現地研修】 |
樹木医 中西 肇
平塚 英史 |
5月 8日 | 全日 | 県内の巨木、名木を訪ねる 【湖北方面】 |
樹木医 信田 繁治 |
5月15日 | 全日 | 果樹と野菜の栽培管理 | 元滋賀県立八日市南高校 教諭 松原 治夫 |
6月 5日 | 全日 | 樹木の夏期剪定実習① | 樹木医 平塚 英史
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6月19日 | 全日 | 樹木と庭木の病害虫防除 | 樹木医
信田 繁治 |
7月10日 | 全日 | 樹木の夏期剪定実習➁ | 樹木医 平塚 英史 |
7月24日 | 全日 | 球根と宿根草の育て方 ・ハンキングバスケットつくり ・観葉植物の育て方 |
フラワーアレンジメント講師 水島 たず子 |
8月 7日 | 全日 | 地産地消・夏野菜で郷土料理作り |
滋賀県栄養士会副会長 清水 満里子 |
8月28日 | 全日 | おいしい果樹と野菜の作り方 まとめ | 元滋賀県立八日市南高校 教諭 松原 治夫 |
9月 4日 | 全日 | 樹木の診断と治療、樹勢回復(実習) |
樹木医 平塚 英史
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第44期(1年)前期の選択講座 2022年10月~2023年3月 |
2022年10月12日(午前・午後)
「 庭木のことを理解しよう 滋賀県内の巨木・名木紹介 」
樹木医 信田 繁治 先生
緊張するわ~、園芸Aの初めての選択講座の授業の始まりで~す!
樹木愛を熱く語る信田先生は、あく抜きなしで食べられるどんぐり「マテバシイ」を拾って持って来て下さいました。紙の袋に入れて電子レンジでチンして食べられるとのことで、食べたら意外とおいしかった。
授業のスタートは、45億年前に地球が誕生してから、ようやく2億5千万年前にスギなどの針葉樹やイチョウ、ソテツなどが現れ、その後広葉樹が1億年前に、人類はたった500万年前に現れたとの話から始まりました。
人も動物たちも植物が造った酸素、エネルギー、食物を頂き生きているが、植物がなければ私たちは生きて行けない関係なのだ!!しかし、樹木愛の信田先生は、街路樹の無茶な剪定を授業の中で嘆かれていました。
私たちも正しい知識を得て、植物と共に生きていくことが大切だということを学びました。
2022年11月2日(午前・午後)
「 樹木管理の基本 木を診る、木を知る 」
樹木医 中西 肇 先生
淡々と樹木を語る、樹木医の中西先生。
木は地球上で一番大きい生き物で、いろいろと地球を守ってくれていると話された。
例えば、木々の緑は、大気汚染の浄化、熱の吸収による地球温暖化防止、騒音の吸収など様々なことに役立ってくれているのだ。
具体的に樹木の熱の吸収で言えば、車一台が50キロで一時間走る熱量を、240㎡(約72.6坪)の樹林で吸収してくれているそうだ。
このような環境だけでなく、緑は人間のストレスの解消の効果があり、風水害や地震から守ってくれているのだ。
樹木って凄い!!
2022年11月16日(午前・午後)
「 樹木の名前を覚えよう 樹木の観察(ウオッチング) 」
樹木医 信田 繁治 先生
本日は、午前中は「樹木の名前を覚えよう」の授業で、午後からは文化ゾーンの山の中を歩きながら実際の樹木の名前を教えて頂きました。
まず、針葉樹と広葉樹の違いとして、針葉樹は種子植物の種子となる「胚珠」がむき出しになっていて、広葉樹は胚珠が果実の素である子房に包まれているのだと教えられた。
なお、種類の判定には、花や果実の形で見分けることができるが、時期がずれるとそれらは分かりにくくなるので、葉の形で樹木の名前を識別することになるとか。
ところで、針葉樹がより進化したのが広葉樹なのだとも。そして、針葉樹は一般的に厳しい環境の中で育っていて、スマートな樹形で積雪の害を小さくしているとも。
またまた、樹木って、凄い!!
2022年11月30日(午前・午後)
「 果樹栽培の基礎 」
元滋賀県立八日市南高校 教諭 松原 治夫 先生
元県立八日市南高校の教諭をされていた松原先生の一回目の授業。
先ず、「僕、いくつに見えますか?」の質問からスタートし、皆、忖度で?敬意を払って?、若めに返答。
それから、先生自身のいくつかある病気のこと、健康のための毎日の散歩(1万歩?)と飲料水(10ℓ?)のこと、等々。
しかし、生徒の名前を覚えたいからと言われ、写真付きの名簿を要求され、熱い先生の印象で始まる。
ようやく始まった授業の果樹栽培については、先生のお薦めは果樹に適した場所を選べて管理がしやすいコンテナ栽培だと。
教科書を使いながら、
・ブルーベリーは大きい実のなる木が良い。
・ブドウの鉢植えは、培養土50ℓ+赤玉土の中粒14ℓに肥料10:10:10のダイナミックスを混ぜた土が良い。
・柑橘類の剪定は2~3月が適期で、枝を切ったら切り口に木工ボンドを塗る。
・連作障害には天地返しをして、堆肥(牛糞、鶏糞、もみ殻)をいれる。
等々の教科書に載っていない具体的でわかりやすい講義で終わりました。
2022年12月7日(午前・午後)
「 里山整備とリースづくり 」 【大学周辺森林での実習】
樹木医 信田 繁治 先生
今日は、アクティブな一日でした。
午前中は里山整備の学習と作業でレイカディア大学の裏山へ、午後からは教室内でリース作りに励みました。
事前に知らされていた汚れても良い作業のできる服装で来ているので、裏山には汚れることお構いなしに子供のようにはしゃいで入り、皆やる気満々。
里山整備の学習と作業は、裏山の木々の名前や見分け方を教わりながら木に絡んだツルなどを除去することだったが、その切り取ったツルは午後からのリース作りに活用しました。
なお、少し薄暗い里山には、目を凝らせばあちらこちらにツルがはびこっていて、結構たくさんのツルが集まった。
午後からは集めたツルを使ってのリースとかご作りで、男性陣はほぼ初めてで女性から教わりながら完成。もう一つのかご作りは、班ごとの共同作業でみんなで力を合わせて頑張るが、なかなか難しかった。
そうこうしているうちに、出来た!! 蔓のかご!世界で一つしかないかごが、完成。
2022年12月21日(午前・午後)
「 洋風寄せ鉢づくり(正月用)シクラメン・ランの育て方 」
フラワーアレンジメント講師 水島 たず子 先生
選択講座で初めての女性の先生。
軽ワゴン車で運んで来られた沢山の数種類の花の入ったカゴトレーと大きな袋入りの培養土と、これまた沢山の鉢を教室の外と中に積まれて寄せ植えの授業開始。
なお、寄せ植えの植木鉢は、信楽焼で水島先生がこの日のために特別に焼いてもらったオーダー品でした。
寄せ植えは、片面がクリスマス仕様(シクラメン等)で、片面がお正月仕様(葉ボタン)になっていましたが、お構いなしの男性陣でした。
<今後の参考のために、先生お薦めの土作りと肥料のやり方>
① 赤玉土(小粒)…成分は畑の土と一緒
② バーミキュライト…改良剤になる
③ ピートモス(改良土)…ここに有機石灰を少し混ぜる。少しね
④ 腐葉土(保肥力)…スーパーミックス[サカタ]。生育と粘りの促進
⑤ ①と②③④を1:1の割合で混ぜて鉢に入れる
⑥ 元肥にマグアンプK[ハイポネックス]を入れる
⑦ 追い肥はアイビー化成肥料が良い…植えたときに一個、鉢の根が伸びてきたころに二個、花が咲き始めたら三個を根元に置く
<とっておきの話し>
・つぼみに霧を吹きかけてやると花が良く咲く。
・チューリップが咲いたら、押しピンで茎の首のあたりを刺してやると花が長持ちする。
(やって見ました,ホントでした!!)
2023年1月18日(午前・午後)
「 剪定の基本 道具の使い方 」
樹木医 中西 肇 先生
剪定は、何のためにするのか。
それは、
① 樹木の本来持っている固有の姿を保つため、
② 樹冠内に光と風を入れ病虫害から守るため、
③ 樹木の寿命を延ばし若返りを図るため、
である。
なお、剪定をする前に、先ず樹木の四季(樹木の生育サイクル)を知っておく必要がある。すなわち、剪定の基本は切る時期を間違えないことが重要である。
・剪定適期
:落葉樹はダメージを最小限にとどめるため、休眠している晩秋から早春に至る冬季間に行う。針葉樹も同様である。
・剪定不適期
:「新緑の展開期の剪定」「夏季の強剪定」「秋の早い剪定」「常緑広葉樹の厳寒期の剪定」「花芽分化(すでに花芽が出来ている)後の剪定」は、樹に負担をかけるのでダメである。
以上の剪定の時期に加え、適切な場所で切ること、よく切れる道具を使うこと(良く切れない道具は細胞を壊すので)も重要な点である。
剪定も奥が深いナ~!
2023年2月1日(午前・午後)
「 おいしい果樹の育て方、苗選びと植付け・施肥・かん水、果樹の鉢(ポット)栽培 」
元滋賀県立八日市南高校 教諭 松原 治夫 先生
果樹の鉢(ポット)栽培についての話から始まりました。
松原先生は、イチジク、ブルーベリー、ブドウなどを鉢(ポット)で栽培されているそうです。ビニールハウスの中で育てることができるし、場所も自由に動かせるので良いとのことでした。
その時の注意点は、
・ 果樹のポットでの植え付けは、先ずは25ℓのポットで始め、3~4年後は60ℓの大きいポットに植え変える。
・ イチジクの土は、培養土+赤玉土(中粒)+腐葉土で作り、それに有機肥料、苦土石灰を加えたモノが良い。
・ ブルーベリーは、酸性度が良いので、石灰は使わない。
・ 果樹の肥料は、有機肥料、化成肥料を追肥として使い、窒素は控える。
・ イチジクの剪定は、2芽剪定(新しく伸びた二つ目の芽を残し三つ芽を剪定)し、そこから新芽が伸びたら2~3年は3本、それ以降は4~6本に仕立てる。なお、整枝剪定(不用の枝を切り取り、形を整える)は、樹高を抑えて、夏季には日当たりや風通しを良くすることになる。冬季に剪定が終わったら、根切りをして根詰まりの防止もする。
松原先生が実際に育てられている果樹の写真を持って来て説明されたので、良く分かりました。
2023年2月15日(午前・午後)
「 果樹の剪定 」
元滋賀県立八日市南高校 教諭 松原 治夫 先生
果樹は自然のままに伸ばすと、サーどうなるでしょう。
自然のままだと枝葉に養分が使われ、実付きが悪くなります。
そこで剪定をするのだけど、いつやっても良いのではなく、夏にやる剪定(夏剪定)と冬にやる剪定(冬剪定)がある。
夏剪定は、一部の果樹で6月頃に行うが、新梢や込み合う枝を剪定し日当たりや風通しを良くするためにする。
冬剪定は、柿や栗など落葉する果樹は休眠中の11月~翌3月に、みかんなど常緑の果樹は3月に行うのです。
実際に梅の枝を持って来られ、剪定の実技を見せて頂いた。
また、松原先生の自宅で育てているイチジクを剪定した枝を持って来られ、捨てるのではなく挿し木をして活かすことを教えて頂いた。
なお、沢山のイチジクの剪定枝を持参して頂き、全員が数本持って帰ることが出来きました。
さ~て、もらった挿し木は、どんだけ根がつくかな。
2023年3月15日(午前・午後)
「 植物の種類と品種 」 【校外学習:京都府立植物園】
樹木医 信田 繁治 先生
今日は初めての校外学習で、日本で最初に開園し日本を代表する総合植物園の「京都府立植物園」に行きました。
北山門の前に集合しましたが、好天に恵まれたこともあり、みんなウキウキで入園を待ちました。園に入るとハイキング気分でワイワイガヤガヤと先生の後をついて行きましたが、先生の樹木の解説が始まるとキチンと静聴してました。
園内を廻りながら、様々な樹木の前で立ち止まり、その木の名称や特徴や見分け方を解説して頂きました。
午後からは、園内の温室「観覧温室」をボランティアのガイドさんにより説明を受け、回遊式の順路に従って熱帯の植物から高山植物などを鑑賞しました。
今日は、普段見慣れているが気に留めていなかった樹木などの特徴や、見慣れない樹木や熱帯植物の説明を受け、大いに学ばせて頂きました。楽しかったナ~。
2023年3月29日(午前・午後)
「 げんげん元気な手作り園芸 春の家庭菜園 土づくり 」
元滋賀県立八日市南高校 教諭 松原 治夫 先生
今日のげんげん元気な手作り園芸授業では、春の土づくりを学びました。
先ず、肥料については、
「元肥」は冬場に、油粕、骨粉、牛糞、鶏糞、米ぬか、枯葉 等を与える。
・ 実をつける時期にやる「追い肥」は、根本でなく根が伸びる先にやる(これを待ち肥いと言う)。
・ 「追い肥」は、窒素:リン酸:カリ=8:8:8か10:10:10を選ぶ。
春の土づくりは、次の4回の天地返しを行う。
① 一回目は、米ぬかともみ殻をまいてスコップで180度返す。
② 二回目は、バーク堆肥と牛糞をまいてスコップで90度返す。
③ 三回目は、苦土石灰をまいてスコップで180度返す。
④ 四回目は、ダイナミックス(腐葉土)をまいて鍬でならす。
これで畑の準備は完璧で、次の授業はお楽しみの夏野菜を植えるのだ~。
第44期(1年)後期の選択講座 2023年4月~2023年9月 |
2023年4月19日(午前・午後)
「 げんげん元気な手作り園芸パート2 春の家庭菜園の作り方(苗の植付け) 」
元滋賀県立八日市南高校 教諭 松原 治夫 先生
今日から後期の選択学科の始まりで、レイカディアの畑に苗などの植えつけを学びました。
植えた苗と種子は、
・苗 … トマト6株(レットオーレ)接ぎ木
茄子3株(千両二号)接ぎ木、茄子3株(トゲなし茄子)接ぎ木
ピーマン2株(ジャンボ)接ぎ木、ピーマン2株(エース)自根
万願寺とうがらし 4株接ぎ木
・種子 … 大根 耐病総太り
人参(時なし五寸)、恋ごころ
これらを植える前に、先ず畑に化成肥料をまいて(トマト以外)、もう一度土を攪拌して、ならしてから植えました。
種については、人参は3~4㎝間隔の点まきで、大根は15㎝間隔の点まきで播きました。苗も植えてから、しっかり水やりをしました。
次は、植えた後の施肥の「追い肥」について、
・一回目は発芽後、もしくは植え付け後15日目、
・二回目はその後20日、三回目も20日後、
・長く栽培しようと思ったら4回目までやると、良いとのこと。
追い肥はダイナミックス(10:12:10)がお勧めで、これを一株に一握り程度、位置をずらしながらやるとより効果があるそうです。
松原先生のおすすめの自然農薬は、
・材料…酢50㏄、焼酎50㏄(25度か35度)、ニンニク4片、タバスコ。
・作り方…ニンニクはすりおろしてお茶パックに入れて絞り、酢や焼酎と合わせてペットボトルに入れて攪拌する。
・使用方法…100倍に薄めて、霧吹きなどで葉っぱの裏表に使用する。
なお、この自然農薬は、虫等を殺すのではなく、虫等を寄せ付けずに予防するもので、週に1回ほどを1~2ヶ月続けてやって下さいとのこと。
あとは収穫を待つのみだけど、班ごとの当番を決めて、しっかり水やりと管理をしてねとミッションを与えられました。皆さん、頑張りましょう!
2023年4月26日(午前)
「 手軽に楽しむ菊作り ① ・大菊(盆養三本立て・だるま・福助作り)、小菊(玉・懸崖・盆栽作り)について、・さし芽(実習) 」
奥村 道弘 先生
奥村先生は、元々はレイカディアの生徒さんだったそうです。
菊は、言うまでもなく日本の皇室の御紋章であり、古くから多くの人に愛され親しまれ、我が国を代表する植物です。
もともとは中国渡来の植物ですが、ここまで見事な花を咲かせるようになったのは、菊を愛した日本の先人たちが長い年月をかけて、菊の育種に並々ならぬ情熱を注いだ証拠と言えるでしょう。
と、奥村先生はたくさんの菊の写真を持って来て、その写真を見ながら丁寧に説明をされました。
なお、菊作りには、たくさんの決まり事と注意点があり、それをクリアして初めて立派な菊の花に出会えるのですね。先生が持ってこられた菊から挿し木用の菊を取り育苗トレーに植え、数名の育て係の生徒が持ち帰った。
さて、枯らさずに上手く育ててくれるかナ~。
2023年4月26日(午後)
「 花壇用花苗の種播・草花の管理 」
フラワーアレンジメント講師 水島 たず子 先生
レイカディアの玄関周りや中庭の花壇の花を植えて、来所される皆さんや、学びの生徒さんの目を楽しませてくれていますが、それは水島先生のアイデアと園芸の生徒の努力の賜物なんだったのですね。
今日はその花壇の花の種まきと草花の管理を習う日です。
水島先生は、決まって白のワゴン車に乗って、車の中には荷物を一杯乗せてやって来られ、駐車場に着くと生徒たちが一斉に手伝って荷下ろしをします。今日も花苗で一杯のワゴン車が付きました。さー、授業の始まりー。
先ず、種をまく時の土について、種まきの土は肥料が入っていない土を使用しなさいと。肥料が入っていると発芽しませんと説明があり、なるほどと感心の一言。
そして、先生の種のまき方は、まるで魔法使いみたいに、種と土を混ぜてパラパラっとまくのだが、不思議に種が固まらずにバラバラにまかれる。これで良いのですと、魔法使いの水島先生の一言。
えー??、今までのバラバラになるように四苦八苦した種まきは何だったのでしょう。今日も驚きの方法を教えて頂きました。
2023年5月17日(午前・午後)
「 剪定実習 松の剪定(松のみどり摘み) 」
樹木医 平塚 英史 先生
平塚先生の初めての授業です。若い先生だなぁ~と羨む声も。
「僕の授業は、ほぼ外ですることが多いです」と言われ、紹介されたアシスタントの先生も頑張りましょうと生徒達(=高齢者)に励みの言葉を。
今日の松のみどり摘みとは、松の新芽がこの5月頃の時期に数本立ち上がってくるのをかきとり、自然なしまった樹形に維持するために行う作業です。松の新芽のことを「みどり」と言うことから名づけられているそうです。
剪定(樹木を切ること)は、樹にとって「手術」なので、慎重に、丁寧にして下さいと。
まず作業に入る前には、必ず蜂がいないか確認することが必要で、熊手などで樹を上からそっと叩き、いたら騒がず逃げなさいと。なお、蜂に騒がれたら目を隠してじっとして、飛び去るのを待ちなさいと言われました。
作業は安全第一で、高所作業は安全帯かロープを付けて作業をし、脚立作業は天板には絶対乗らないことを守るようにと。また、熱中症対策をとることも大切と言われました。
さあ、校舎前でワイワイガヤガヤと剪定作業を開始。メイン作業の松のみどり摘みは、一本の松を四方から取り囲んでみんなでチョキ
チョキと緑つみ開始!
なお、午後からはテキストとビデオで松の剪定の静かな学習を受けました。
2023年5月31日(午前)
「 手軽に楽しむ菊作り ② 」
奥村 道弘 先生
前回の4月26日の授業で、育苗トレーに刺し芽をした菊苗を持ち寄り、育苗ポットに植え替えました。
それらの数種類の大菊と小菊を各自が好みの菊苗を持ち帰り家で育てることになったが、みんな、上手く育てれるかな?
なお、今日の授業では、菊苗の水やり、摘心の仕方、中鉢への移植の仕方、消毒の方法などを学んだのでした。
2023年5月31日(午後)
「 果樹と野菜の病害虫防除 」
元滋賀県立八日市南高校 教諭 松原 治夫 先生
大学の畑に行き、4月19日に植え付けたナスやトマト等の野菜の芽欠きや支柱の立て方などを学びました。
なお、先生から、今までにない良い野菜の出来だとお褒めの言葉を頂いたので、「先生、何点ですか?」とお聞きすると「95点やナ~」と高評価!
マイナス5点は何ですかとお聞きすると、「人参の間引き方がちょっとまずいナー」とのこと。
反省点はあったが、みんなで気分よく教室に帰りました。
教室では果樹の病気や害虫について具体的にスライドを使って説明を受け、予防方法を学びました。
2023年6月7日(午前・午後)
「 花壇作り 」
フラワーアレンジメント講師 水島 たず子 先生
今日は花壇作りの授業ですが、午前中は7月の大学祭に向けてコケ玉の作り方を実演し教えて頂きました。
材料はシダとケト土と乾燥コケで、ケト土を水で溶いて耳たぶの硬さにしたモノに細かく千切った乾燥コケをしっかりと混ぜ、それでシダの根を包み込み団子を作る(ただし、シダの葉は団子の中に入れない)。
団子の全体をコケで包み、コケが剝がれないように黒の木綿糸でぐるぐる巻きにしたら完成。
午後からは、夏に向けての花壇づくりです。
レイカディア大学の玄関先にある花壇に行き、古くなった花や雑草を引き抜いて、硬くなった土を耕した後に肥料を施して準備完了。
4月26日の水島先生の授業で花壇用の花苗の種播きをして家に持ち帰って育ててもらった花苗を花壇に移植しました。
その後、教室に帰り、水島先生から午前と同じ7月の大学祭用にリースの土台作りを教えてもらいました。畑のビニールトンネルの支柱に使うグラスファイバーポールを直径40~50センチのリング状に丸め、固定するために麻紐をぐるぐる巻きにしました。
サー、このリングを使って、大学祭のリース作りをするゾ~。
2023年6月28日(午前・午後)
「 樹木管理 剪定実習 」
樹木医 平塚 英史 先生
平塚先生は2回目の授業で、今日は樹木の管理と剪定の実習です。
レイカディア大学の玄関先で、刈り込みバサミや剪定はさみの使い方や、事前に植え込みの中に巣を作っている蜂がいないか竹ぼうき等で植え込みを叩き確認することが大切との注意事項を習いました。
その後、玄関先のエントランス脇と外の道路の歩道に沿って植えてあるツツジやサツキなどの剪定をして、後片付けをしました。
今回の実習は、実際の自宅やボランティア活動での庭木の伐採や剪定の仕事に役立つものであり、みんな頑張って習得してました。
2023年7月12日(午前)
「 地球温暖化とびわこ地球市民の森 」 【校外学習:びわこ地球市民の森】
びわこ地球市民の森 江見 和綽 先生
今日は、「びわこ地球市民の森」での校外学習だ。
講義を受けたびわこ地球市民の森は、2001年4月29日の「みどりの日」にオープンしたが、この森は野洲川の廃川を利用したもので、南北に細長いのもうなずけました。
午前中に受けた江見先生の講義では、
私たち人間は、青くかけがえのない、たった一つの地球という自然の中で、植物や他の動物たちと同じように地球の住人として生きています。何千年も前から私たちの先祖は、自然の恵みの中で生かされていることを知り、そして自然に感謝する心を持っていました。今私たちの生活は大変豊かになりましたが、その反面いつしかその感謝の心を失い地球の温暖化、野生生物や森の減少など、地球上にさまざまな環境問題を引き起こしています。
という講義を様々な資料やデータでして頂きました。
この講義のあとは、冒険の森にていろいろな樹木の説明を受けながら探索をして廻り、所々の木の上に「トトロ」や「フクロウ」がこちらを見つめていたのを見て童心に帰りました。
しかし、森の探索も、雷雲を引き連れての強雨の到来が予想されたため、早めに切り上げることになり残念。
2023年7月12日(午後)
「 森づくり活動(実習) 」 【びわこ地球市民の森】
樹木医 平塚 英史 先生
午後からの平塚先生の実習は森の手入れ作業のはずでしたが、横殴りの雨が収まらないために室内の実習に変更。
のこぎりを使っての丸太切りを代わる代わるやりましたが、結構太い木のため、みんな汗だくだくでへとへとに。
この時、針葉樹と広葉樹の違いを丸太切りで体得し、広葉樹は固いことを実感しました。
最後の授業では、細い枝を使っての鉛筆のストラップ作りをしました。捨てられるような細い枝がかわいい鉛筆に変身し、みんなは大切に持って帰りました。
以上、楽しくて有意義な「びわこ地球市民の森」での一日でした。
2023年8月30日(午前・午後)
「 秋の家庭菜園の作り方 (苗の植付け) 」
元滋賀県立八日市南高校 教諭 松原 治夫 先生
午前中はレイカディア大学の玄関横の畑の整理をし、午後からは教室で野菜づくりの教科書にそっての授業でした。
なお、我々園芸Aの次の野菜づくりは、レイカディア大学の中庭にあるプランターで行いました。
植え付ける野菜は キャベツ8~9本、ブロッコリー8~9本の苗を、かぶ、小松菜、青梗菜は種から育てます。
<アドバイス>
・ 種はメーカー品(タキイ、サカタなど)の発芽率が良いので、それらを買った方が結果的にお得です。
・ ブロッコリー初めて作る人は、早生のシャスターがお勧めで、横わき芽が出やすい品種を選ぶと、沢山収穫が出来てお得です。
全部でプランターは33個あるが、キャベツ、ブロッコリーで20個のプランターを使い、その他のプランターは種からの育苗に使うそうです。
≪苗の植付けと種まき≫
苗を植え付けは、先ず植える穴にしっかり水をやり、その水が引いてから植え、そして少し苗がかぶるくらいに土をかぶせて植える。植えたら水やりをし、日陰に置くか直射日光に当たらないようにする。水やりは、3~4日に一回水やりをする。
<アドバイス>
・ 水やりは苗に直接かけずに、苗の茎の周り半円を書くように水をやる。この時1回で多くやるのではなく、土の表面の水たまりが見えなくなった後しばらくして再度水やりをして、3回に分けて繰り返す。なお、中庭のプランターでは、端から端に行ってもう一度元に戻って水やりをする方法で3回繰り返す。
・ 苗の時は出来るだけ水をやらない。土の中はしっかりと水分を含んでおり、表土が乾くと根が水を求めて深く伸び、その結果丈夫な苗ができる。水をやるなら、朝にやる。夕方から夜に水をやると、水やり過ぎは、苗を徒長させて弱い苗になる。
次に、種まきであるが、種をまく前に苗と同様に土に3回水やりをしてしっかり土に水分を与えることが大切。
種まきは、間引きの手間を省くために2センチ間隔で播くが、種が細かいのでピンセットで播く方が良い。まいたら覆土をして新聞紙をかぶせて2~3日置くが、新聞紙を取った後でも水はやらない。
≪追い肥と自然農薬≫
プランターは、一回目の肥料は2週間をめどにやり、二回目は20日後にやる。
一株当たりの肥料は、ダイナミックス30グラムを、プランターの縁と苗の間や苗と苗の間などの二ヶ所に分けて土と軽く混ぜるが、このとき土が乾いていたら水をやる。
なお、秋の野菜は気温が下がってくる時期になるのでだんだん生育が遅くなる。気温を見ながら追い肥を与える必要だとのこと。この時、キャベツ、ブロッコリーは、外に広がる葉を大きく育てることが良い収穫になるので、追い肥が大切とのことでした。
苗もしくは発芽した苗には、虫が多くやってくるので、4月19日の松原先生の授業で習った自然農薬(虫などを殺すのではなく寄せ付けないモノ)を、植え付けた後一ヶ月から一ヶ月半に、土と植物にかけてやる必要があるとのこと。
なお、松原先生は、もみがらか燻炭を土の上にまいてマルチ替わりにして、その上にオルトランをまき虫などを寄せ付けないようにされているそうです。ただし、間引き菜を食べたいときはオルトランをまかないそうです。オルトランは一ヶ月で分解するので、その後に食べるようにされているとのこと。
しかし、苗などを植えると虫が多くやってくるので、完全に防げないけど防虫ネットなどをする方が楽で良いかもとも言われてました。
2023年9月13日(午前・午後)
「 果樹の糖度調査、土づくり (秋野菜の植付け準備) 」
元滋賀県立八日市南高校 教諭 松原 治夫 先生
午前中は、皆で中庭に行き、プランターに苗を植え付けました。
≪苗と種子の種類≫
苗は3種類(①キャベツ[初秋、早生]、②ブロッコリー[シャスター、早生]、③カリフラワー[オレンジブーケ])を植え、種子は4種類(①青梗菜、②小松菜、③ひかりかぶ、④万木かぶ)を蒔きました。
≪苗の植付け方と種子の蒔き方≫
先ずは苗の植付けをするために、スコップでプランターの土を軽くほぐし、そこに苗を植える穴を掘り、その穴にたっぷりの水をやって水が収まったら苗を植え付けました。
次に、種まきは、表土に角材の角を押し付けて溝をつけ、そこにしっかりと水まきをして、その後にピンセットで3センチおきに種を置き、その上に培養土を手でほぐしながらのせて行きました。覆土をした上に、もみ殻をところどころ土が見える程度に被せました。
なお、蒔いた種に被せる培養土は、好光性種子(レタス、キャベツ、ニンジン、小松菜、かぶ、シソ等)か、嫌光性種子(大根、ネギ、ナス、トマト等)かで土の量を加減します(前者は薄く、後者は厚く)。
水やり≫
苗の植付け後の水やりは、植え付け後一週間から10日はやらないでよい。なお、苗の水やりは、日差しが強い場合は水滴がレンズの役目をして太陽光線が当たって葉が焼けるため直接葉にかけないが、曇りなら葉に水をかけても大丈夫。
種まき後の水やりは、発芽後葉っぱが小さいときはそんなに水分はいらない。逆に、やりすぎると根腐れをするので、要注意。
≪当番≫
当番は一週間に二回は見て観察するとともに、水やりと追い肥をし、一週間に一回は自然農薬をやる。
≪追肥≫
追肥は、ダイナミックス軽く一握りを、葉に肥料がかからないように施し、もみ殻と軽くかき混ぜる。
なお、一回目(15日後)、二回目(20日後)、三回目(20日後)で終了する。
午後からは、調理室で果物の糖度を測る授業でした。全員、初めての計測なので、ワクワクでした。
≪調べた果物≫
①ミカン(ハウス)、②梨(豊水)、③桃、④ブドウ(籐稔)、⑤リンゴ(サンつがる)⑥キウイ(サンゴールド)、⑦トマトの以上8種類
≪糖度計≫
糖度計は初めて使ったが、糖度計の先に絞った果汁を垂らして蓋をして、のぞき窓から読み取るのであった。ちなみに、糖度の値は低いほど甘くない。
≪計測結果≫
最初はミカンを測ったが、温室ミカンだけど、そんなに甘くない。松田さんは11度と予測したが、ピッタリ11度だった。さすがに女性は買い物をする機会が多く、果物は糖度を見て買う習慣がついているので、ドンピシャ。
ミカンの11度を基準として覚え、次々と果物を試食し予想し、糖度計で測った結果と比べた。
松田さんは、梨の豊水は結構甘かったとのことで12.5度、次の桃は15度、そしてブドウが一番甘く16度、グレープフルーツは10度、リンゴ12.5度、キウイは15度、トマト7度と予想。
そして、酸味があるものとないものとの差で甘みの間隔が違うことと、ブドウは一番甘いのに食べた後に皮の渋みが残るので甘さが消されてしまうと松田さんは分析したが流石だね。
皆でワイワイと果物を食べながら代わる代わる糖度計で計測する作業を行ったが、楽しい食欲の秋にふさわしい午後の授業でした。
2023年9月27日(午前・午後)
「 秋の草花の播種(実習)」
フラワーアレンジメント講師 水島 たず子 先生
さあ、水島ワールドの始まりです。
秋の花壇用の花の種まきです。まいた種は、パンジー(三種類)、ビオラ(三種類)、金魚草(一種類)、アスター(一種類)、金盞花(一種類)でした。
なお、種まきの時期は20℃前後で、その目安は夜クーラーなしで寝られるようになったら種まきに良い時期だそうです。
種をまく土は、種まき培養土だけど、サカタのスーパーバーク堆肥がお勧めとのこと。まく土が黒いので種が見えにくい時は、種まきの溝を作って、有機石灰を薄く撒いて種をまくと良く見えるよとのアドバイスがあり、その通りにしてピンセットで一粒一粒まきましたが、種の間隔をきれいに整えてまけました。
花の種の発芽は、アスター、金魚草、金盞花は4~5日で、パンジー、ビオラは一週間から10日くらいで芽が出るそうです。
芽が出て本葉が出てきたら、上から油粕を粉状にしてまく、あるいはIBを砕いた肥料をやると育ちが良いそうです。ただし、油粕は、土に入れると発酵して根を腐らすので、やってはいけないことと教わりました。
虫よけは、ビニール袋の底あたりに押しピン等で2~3ヶ所穴をあけたものに、トレボン粉剤DLを入れて、本葉の上でトントンと揺するときれいにまけることを教わりやってみました。なお、トレボン乳剤は虫に対する忌避剤なので、殺虫剤のオルトランより安全だそうです。次に、水のやり方を習いました。やった水が乾いて芽が出るので、水のやり過ぎは発芽を邪魔するのでダメとのことでした。なるほどネ。
しかし、表土が乾きすぎるのもダメで、芽が出るまで土の上に新聞紙を置き、芽が出たら新聞紙を取り除くが、急に新聞紙を取り除き日光を当てるのは良くないので、徐々に日の当たる場所に移動させてやることを教わりました。
なお、新芽が徒長し過ぎるとひ弱な苗になるので、上から土をかぶせてやると良い苗だけが伸びて良いと教わりました。
本葉が出て、根が張ったら植え替えの時期です。この時、伸びすぎた苗は寝かせて植えるとしっかり根が張るそうです。
ところで、4月にレイカディア大学の玄関先に植えた夏用の花壇は、30度を超える日が長く続いたためベゴニアは溶けてしまいました。しかし、マリーゴールドやハーブ類は暑さに強く元気でした。このことからの反省ですが、今後は暑さに強い品種を選ぶ必要がありますね。
今日は、秋の花壇用の花の種まきの話でしたが、冬の花壇用の葉ボタンの苗を育てる時期だそうで、去年植えた葉ボタンが残っていたら、それをカットして刺し芽で十分増やせるそうです。
皆さん、秋・冬に向けた美しい花の育成にチャレンジしましょう。
第44期(2年)前期の選択講座 2023年10月~2024年3 |
2023年10月18日(午前・午後)
「 果樹の収穫実習 」 【東近江での校外学習】
元滋賀県立八日市南高校 教諭 松原 治夫 先生
今日は秋晴れの快晴の中での東近江での校外学習です。
「道の駅あいとうマーガレットステーション」の中にある『あいとうエコプラザ菜の花館』に集まりました。
皆さん、クリスマスには、お孫さんたちと明かりを灯して楽しんで下さいヨ。
その後、館内の工場を案内して頂き、家庭などから集めた廃食油を粉せっけん(リサイクルせっけん)やバイオディーゼル燃料(BDF)にリサイクルしている工程や、転作地で作った菜種から菜種油「菜ばかり」を生産の工程も見学しました。地域内の資源循環を身近に実感できる施設であると感心しました。
なお、もみ殻燻炭が安いよーとの松原先生のアドバイスで、買って帰られた人が多かったです。
お昼には、道の駅で売っている弁当を買ったり持参の弁当を広げてワイワイガヤガヤと言いながら食べました。
昼からは、道の駅から歩いてナシ園に行き、ナシの品種や樹の仕立て方、収穫の時期などを聞き、収穫体験をさせて頂きました。木の剪定や枝の誘引、摘果、鳥よけネット張り、消毒、施肥などなどほぼ毎日作業があるとのことで、大変さを実感しました。
試食で食べさせて頂いたナシ、ナシ狩りで採ったナシ、いずれも美味しかったです。
<ナシ園の説明光景> <誰かに似てませんか>
<松原先生がむかれたナシの試食会>
2023年10月25日(午前・午後)
「 秋の花壇づくり 」
フラワーアレンジメント講師 水島 たず子 先生
今日は、水島先生・・
2023年11月8日(午前・午後)
「 おいしい果樹の育て方 整枝・剪定と病虫害対策 」 【琵琶湖もりやまフルーツランド】
元滋賀県立八日市南高校 教諭 松原 治夫 先生
今日は秋晴れの快晴の中で、びわ湖が近くに見え、比良山系の山々が遠くにきれいに見える「びわこもりやまフルーツランド」での校外学習です。
今の時期は販売する果物が無いため、「もりやまフルーツランド直売所」の中は何も置かれていないテーブルが在るだけでした。
職員の方に連れられて果樹園に行き、この農園の生い立ちなどを気お聞きしました。そもそも、この地域は広大な農地で約30年以上前より「梨」や「ぶどう」などの果樹の栽培が始まったそうで、生産者の高齢化などでやめられた農園を引き継いで、「憩い・集い・体験・感動」という4つのコンセプトに運営をはじめ、若い職員が働いておられるとの説明をお聞きしました。
果樹園には毎年8月初旬から10月中旬の果樹の収穫シーズンのみ直売所がオープンし、いろいろなイベントも開催して、その期間中だけで約1万5千人以上の人が訪れるほど果樹の直売所として人気で知名度もあるとのことでした。
果樹園内に入り植えてある梨(豊水、筑水、八里、幸水、ゴールド20世紀、新高など多くの品種を栽培)やブドウの説明を受けました。
2023年11月15日(午前・午後)
「 県内の巨木、名木を訪ねる 」 【湖東方面】
次は、道の駅せせらぎの里こうらでトイレ休憩をして、同じ甲良町にある「ヒイラギの森」に行きました。道の脇にこんもりと生えた大きなヒイラギでした。一本の巨木を中心に十数本のヒイラギと一本の大きなカゴノキが森を作っていました。しかし、普通は見られる葉の縁のトゲが無かったです。老木になると葉にトゲがなくなることがあるとか。なんだか寂しい話でした。
次は、東近江市の国道307号の脇にある天然記念物の「北花沢のハナノキ」を見に行きました。3月の彼岸の頃に、葉より先に深い深紅の花をつけることから「ハナノキ」というそうです。なお、天然記念物に指定されている樹は、近くの湧水が枯れたことと交通量の多い国道の横で排気ガスにより樹勢が衰えたそうで、今後が心配ですね。でも、挿し木により後継樹が傍でそだてられていましたので、早く大きくなると良いですね。
丁度正午に、あいとうマーガレットステーションに着き、皆で弁当を食べました。
昼食を食べた後に、日野町にある「本誓寺のクロマツ(青鶴松)を見に行きました。
次は、最後となる湖南市にある天然記念物の「平松のウツクシマツ」に行きました。
ここにある松は、幹に主幹がなく、1本の根元近く、または地表近くから枝が箒状、放射状に分かれて立ち、樹冠は傘を逆さにした特異な樹形をしているのです。マツ科の常緑針葉高木の赤松の天然変種とのことでした。
近年、松くい虫で枯れて数が減ったとのことですが、国の天然記念物に指定されているのは「平松のウツクシマツ自生地」と場所が指定されているため、外の地域で育てて移植するのはダメとのことで苦労されているとのことでした。
今日訪れた4ヶ所の巨木・名木を維持・管理する難しさ大変さを感じました。
2023年11月27日(午前・午後)
「 盆栽展の鑑賞と寺社庭園見学 」 【京都市内】
樹木医 中西 肇 先生
サー、今日は京都での寺社庭園の鑑賞と目下開催中の盆栽展の鑑賞です。
京都地下鉄東西線の蹴上駅に集まり、いざ一番目の浄土宗の永観堂禅林寺を目指して出発。
まだ朝早いのに多くの観光客がおられました。外国の方が多かったかな。メインの釈迦堂の長谷川等伯などの襖絵を見て山の斜面に巧みに作られた廊下の臥龍廊を渡って出ました。ここ永観堂は秋のもみじの紅葉が超有名なので、是非、もう一度秋に来ようっと。
永観堂の次は臨済宗の南禅寺です。このお寺には、狩野探幽の襖絵と小堀遠州の作庭で借景式庭園の方丈庭園があり静かに堪能させて頂きました。
2か所の寺社の後は、平安神宮近くに行き、昼食を食べました。腹が一杯になり体力が回復したあとの次の場所は平安神宮です。
ところで、平安神宮は、平安遷都1100年を記念して明治28年に遷都の“おや神様”である第50代桓武天皇をご祭神として創建されたそうです(知らなかったナ~)。そして、明治の代表的な庭園として太極殿などの建物を囲んで東・中・西・南の4つに区分された大きな神苑(庭園)があり見て回りました(これも知らなかったナ~)。
春の紅枝垂桜は見事とのこと、是非、もう一度春に来ようっと。
次は、京都市勧業館(みやこめっせ)で開催されている「第42回日本盆栽大観展」の鑑賞です。沢山の盆栽が悠然と並べられていました。盆栽は、自然の樹木を縮小した形にし、幹が曲がるなどして古木感がただようように作るのが良いそうです。
なお、同じところで来年1月に、比較的小さな盆栽を展示する国内最大の盆栽展の「第49回雅風展」があるとのこと。是非、これにも行ってみようっと。
2023年12月6日(午前・午後)
「 収穫した野菜で料理づくり 」 【調理実習】
滋賀県栄養士会副会長 清水 満里子 先生
一年間学習してきた総大集としての初めての調理実習です。先生のレシピで指示されて買ってきた食材と皆がそれぞれ育てた野菜を持ち寄ったりして作りました。
レシピは、①ぶりのみぞれ煮、②かぶのそぼろあんかけ、③ほうれん草と白菜のごま和え、④みたらし団子の4品目です。
朝からみんなそわそわ、全員のエプロン姿も中々初々しい。下準備に女性陣はバタバタ。事務局の人と一緒に来られた先生から「活気のあるクラスですね」と目を丸くされてました。「事務局にもお届けしますね」と伝えると「きゃー」と喜ばれました。
何かお祭りみたいな騒ぎになっています。そんなこんなで、先生と一緒に4品目仕上げることが出来ました。
事務局と信田先生にお届けして召し上がって頂きました。信田先生は何度もお礼に来て下さりました。先生、律儀やなー。
食事を終えて、お昼の休憩の後は講義の時間。
まず、滋賀県の平均寿命、男性が81.05歳で日本一の話からスタートしました。
健康は、日常の食事、運動、睡眠、ストレスのない生活が大事で、大切なことは、自分の健康は自分で管理すること。そうですよー、皆さん!
健康に必要な食生活については、次の3つが大切だと。
① 適正量を食べる。
② バランスの良い食事内容にする。
③ 規則正しく食べる。
①の適正量を食べるとは、今の体重を維持すること。標準体重にする必要はありません。標準体重より重い人は増やさない、軽い人は減らさないことです。
②のバランスの良い食事とは、「主食+主菜+副菜そして牛乳+果物」をバランスよく摂ることです。
以上の食生活とは別に、大事なのが水分の摂取だと指摘されました。
人間の体の水分量は、赤ちゃんは80%で、高齢者は50%。段々と年を取ると水分量が減り、若い時の体から水分が減り“しわ”が多くなるんや。悲しいけど納得!
なお、一日に必要な水分摂取は以下の通りで、少なくとも1.2ℓの水は飲もう‼
・入る水分 … 食事で1.0ℓ、体内で0.3ℓ(※)、飲み水1.2ℓ
(※ 摂取した食べ物が体内で燃焼される際に生じる水)
・出る水分 … 尿や便で1.6ℓ、呼気や汗で0.9ℓ
ちなみに、「私の一日のエネルギー」(某女子です)から水分摂取をそれぞれ計算しました。
”私は一日1600キロカロリーを摂りますが、一回のご飯は160gを食べるので水分は1600㏄と出たワ。良かったワー、足りてる!”
最後に、先生のまとめは、『食事は楽しく、美味しく食べる!』でした。
2023年12月13日(午前・午後)
「 松竹梅の作り方と管理、松の管理(実習) 」
樹木医 中西 肇 先生
今日の午前中は「松の管理」方法を学びました。
先ず、松に対する戒め、やっていけないことを6つ習いました。
1.樹冠下の土を踏み固めたり、土壌環境を急に変えるな
2.過激な枝葉の整枝剪定をするな
3.深植えにするな
4.肥料をやり過ぎな
5.落ち枝・落葉を除去し、地床の木は刈り取り、腐植物の蓄積を少なくする
6.病害虫防除の薬剤は適期に適量を
そして、赤松と黒松の病気の症状とその対策(主に薬剤)を教わり、松以外の樹木の病気・害虫がもたらす症状とそれに対する薬剤も教わった。
午後からは、お正月用の「松竹梅の作り方と管理」を教わった。
なお、松竹梅の寄せ植え盆栽は、古来縁起物としてお正月に飾られるが、植える木には深い意味があるのだ。
・松 … 冬も葉を落とさず茂り、独特の風格を持つその姿に「神が降りる木」としてあがめられてきた
・竹 … 節があり、風雪に耐えることから、また1年の区切りをつけて新年を迎えようと意味も
・梅 … 2月頃の寒い時期に花をつけ、寒い辛い時期にも梅のように頑張ろうという意味がある
・やぶこうじ … 漢字の当て字の「十両」から、金に不自由しない
・南天 … 「難を転じる」という連想から
さて、皆が右往左往しながら作った松竹梅の寄せ植え盆栽は、素晴らしい出来栄えでした。写真をご覧あれ!
2024年1月17日(午前・午後)
「 樹木の冬期剪定実習 ① 」
樹木医 平塚 英史 先生
今日は快晴で気温は数度だけどお陽さんが出ているので暖かったですね。
午前中は、びわこ文化公園で主に山茶花の剪定でした。
平塚先生が持参された剪定ばさみとのこぎり、レイカディア大学から持ってきたアルミ脚立とヘルメット、そしてびわこ文化公園管理事務所から借りた一輪車と竹箒とゴミバックで、イザ出陣!
歩道の外側の脇に植えてあるサツキの上に被さる山茶花を取り除く剪定する作業でした。手が届く高さの山茶花は剪定できましたが、脚立に乗っても切れない上に高く伸びた枝は危ないので切り残せざるをえなくて、チョッピリ残念でした。・
<剪定をした右手の山茶花とその下のサツキ>
昼からは、レイカディア大学の中庭の高く伸び切った欅の剪定でした。
これは欅の枝が広がって枝の下にある花壇を覆ってしまうので、太陽の光が入らなくなりパンジーなどの生育に妨げるためです。しかし、この欅は大きくなりすぎて、とても簡単に剪定できない大きさでしたが、平塚先生はヒョイヒョイと木に登り一本の太枝を切るデモンストレーションをされました。この時、樹形を小さくする方法として、太い幹から出ている小枝の生えている所で太い幹を切り落とすのが良いと教わりました。参考になる~う。
<レイ大中庭の欅>
中庭での作業を終えた後は、正面の駐車場脇の松の木の剪定を行いました。
この松の木は、去年の春に行った剪定「みどり摘み(芽摘み)」の木で、今回は「もみあげ剪定」と「透かし剪定」を行いました。「もみあげ剪定」は古い葉を落としたり、ついでに枝を切り落として樹形を整える作業で、「透かし剪定」は幹や枝に日光が当たるよう数を減らし、風通しもよくし害虫予防にもつながる作業です。
<剪定中の平塚先生。庭士さんではないです> <皆で剪定した松の木>
この時のポイントは、剪定は樹の上から下へ行うこと、春のみどり摘みを行った後の枝先に生まれた数個の芽を2~3個残して取り除くこと、少し離れたところから眺めて全体のバランスを見て剪定をすること、枝を抜く(切る)と生えてこないので注意すること、等などを考えてやるである。慣れないと難しいですね。
なお、この作業は11月から12月が良いそうで、チョッピリ遅いそうです。
2024年1月31日(午前・午後)
「 樹木の冬期剪定実習 ➁、樹勢回復 」
樹木医 平塚 英史 先生
今日は、前回(1月17日)に続き樹木の冬の剪定の実習と座学です。
午前中の実習は、樹勢の維持・回復のために木の周りに竪穴を掘り、肥料を与え根に酸素の供給を良くする作業を、レイカディア大学の裏の駐車場脇の木を練習台として教わりました。
使う器具はバール、手動穴掘り機、電動穴掘り機の3種類を使い、掘る穴は木の根っこから1ⅿほど離れたところをグルっと円状に50㎝間隔で掘る実習でした。
最初はバールを使った穴開けでしたが、地面にエイヤーと突き刺し上部の持ち手の部分をグルグルと回すと地面にも小さな数センチ程度の丸い穴が開くというやり方です。これでは深くバールを地面に刺さないと大きな穴が開けられないので、大変でした。
そして次に、マキタの電動穴掘り機を使い直径10㎝程度の穴を開けましたが、こちらはすんなりとスクリュー状の刃先が土の中に入ってくれるので楽ちんでした。
昼からの授業は、伐採されてきたシラカシ(?)で、剪定の方法を教わりました。
木を少し小さくする場合は徒長枝などを切り落とし、先端の枝は二枝(二股の枝)に整理する、木をこじんまりと小さくする場合は幹の根元で何本か切り落とし、残った枝も小さく整理するのだと、実際の木を剪定しながら教わりました。
なお、枝を剪定すると、そこから根元の間にはもう枝が生えてこない木もあるので要注意とのことでした。
休憩後に教室に入り座学が始まり、改めて剪定の3つの目的の話がありました。
・美観上の目的…樹木本来の自然の美しさを発揮させるため不必要な幹や枝を剪定する。
・実用上の目的…防風樹、緑陰樹などはある程度枝葉が混むように、街路樹は交通や信号の支障にならないように剪定する。
・生理上の目的…繁った枝葉を透かし、風通しや日当たりを良くし、病気や害虫の発生を抑えるために剪定する。
ところで、病害発生のメカニズムは三要因というものがあり、誘因(土壌環境、栽培管理の不手際)、素因(不健全な育成、品種の問題)、原因(病原菌、カビ、細菌の存在)の3要因が揃わなければおきないが、原因はどこにもあるが素因・誘因のいずれか一つを絶てば病害の予防になると説明があった。
<病害発生の三要因>
樹木の剪定はただ単に幹や枝を切れば良いということではなく、いろいろと考えて剪定しなければならないと教わりました。
2024年2月21日(午前)
「 森の手入れ作業 」 【びわこ地球市民の森】
樹木医 平塚 英史 先生
今日は、びわこ地球市民の森「森づくりセンター」での校外学習です。しかし、午前中は実際に森の手入れ作業をするはずでしたが、悪天候のためセンターでの講義に変更になりました。
<受講中の園芸Aの皆さん>
森づくりの大きな役割は、大きく二つあります。
① 温室効果ガスの防止
森の植物は、二酸化炭素を吸って私たち生き物に必要な酸素を吐き出してくれています。その二酸化炭素は、地球の温室効果ガスの主な一つで、最近の地球の温暖化を促しており削減が急務となっています。森をしっかりと元気に育てることが大切ですね。
② 生物多様性の保全維持
すべての生物は孤立して存在するのではなく、互いに補完し合い、影響を与え合っているので、ある種や生態系が失われると、その影響が他の生物にも及び、全体のバランスを崩すことになるため、生物多様性が重要なのです。その非常に多くの動植物は森が生息地となっており、森は生物多様性の保全に重要な役割を果たしているのですね。
森を健やかに育てるには、光を林間に入れることが大切です。しかし、林業は、杉やヒノキを育てることが目的のため、それ以外の草木は切って成長を促すため林間に光が入り難くなっているが、生き物のすみかとして枯れ木を残すことも大切ですね。そして、この植林の林間に光を入れて虫などの生物が住みやすい環境作りを行うために間伐を行うのも必要かと思います。
ところで、石油やガスが普及するまでは、森と人間は切り離せなかったのでした。すなわち、森は材木や食料の重要な供給地であったのですが、近年は多目的空間として水源涵養、土砂災害防止、地球環境保全機能、生物多様性保全、文化、快適環境形成、保健・レクリエーションの機能を有する場所として私たちの生活を安定させてくれています。特に、「五感」への効用、「こころ」への効用、「からだ」への効果があることが分ってきて、運動、療養、更生、癒し、福祉、交流、学習、芸術などへの利用、活用が提案されています。
様々な効用・効果がある森についての午前中の講義は終わりましたが、森は大切にしなければならないですね。
2024年2月21日(午後)
「 シイタケの作り方 」 【びわこ地球市民の森】
樹木医 信田 繁治 先生
昼食後の午後からの講義は、原木シイタケのつくり方です。よく聞いて美味しいシイタケを沢山作りたいですね。
さて、キノコ栽培に適した原木(ほだ木)は、クヌギ、コナラが適しているそうです。ところで、シイタケの栽培方法には二通りあります。
・原木栽培…原木にシイタケ菌を植付け栽培する方法。
・菌床栽培…広葉樹のおがくずに米ぬかなどを混ぜて固め高温で殺菌した人工培地(菌床)で栽培する方法。
今日の講義で習った方法は原木栽培でした。
<原木の伐採と玉切り>
原木は、晩秋以降に間伐したクヌギやコナラの木を、1m位の長さに玉切り(伐採・枝払いされた立木を使用の用途に合わせた長さに切り分けること)して一か月ほど乾燥させる。
<電気ドリルでの穴あけ>
シイタケ原木は、樹皮はつるつるした木が良く、シイタケ菌は中心部の芯材(色の濃い死んだ組織。菌糸の成長が遅く栄養も少ない)をうまく利用できないので、心材の少ない直径20㎝以下の原木が良く、長さは1m程度が良いとのことでした。
原木に開ける穴の数は、「原木の直径×2」が標準だそうです。
(例)原木が直径10㎝の場合…10×2=20+α個
また、シイタケ菌糸は、横方向に良く伸びるが、縦方向に伸びにくいため、穴は横に広く縦に狭く千鳥状に穴をあける。ただし、節の周りは菌糸が回りにくいので避ける。
基本の穴は、長さ1mの原木の場合、縦一列目は端から5㎝あけて30㎝間隔で4個の穴をあけ、その下の7~8㎝程度の所に一列目との間に3個の穴をあけ、交互に4つ3つ4つ3つ・・になるようにあけて行く。
<菌打ち>
次に、シイタケの種駒を穴に木づちで打ち込むが、稙菌孔の深さは種駒の長さより2~3㎜深くする。
なお、今回使用した種駒は、森産業の森290号(にくまる)という日本で一番使用されているモノで失敗が少なく、春と秋に肉厚のシイタケが収穫できるそうです。
<仮伏せ>
菌打ちした後は、直射日光の当たらない雨の当たる場所に梅雨の前まで寒冷紗などを掛けておく「仮伏せ」をする。なおこの時、土の上に丸太を置いてその上に原木を置くが、重ねても膝位の高さまでにしておく。
これは、シイタケ菌が早くのびるように暫く水分の多い環境を作るためであり、湿る・乾燥・湿る・乾燥を繰り返すと菌が伸びやすくなるのだそうで、梅雨の時期に立てかける。
<本伏せ>
梅雨の前に風通しの良い林の中に原木を置く「本伏せ」をすると1年半後にシイタケが出てくるそうです。なお、この時の理想的な環境は、木漏れ日が差し、風通しが良い、湿っているより若干乾燥が良いそうです。雨が当たって乾く、雨が当たって乾くの繰り返しで、ほだ木(原木)の中でシイタケ菌が伸びるそうです。
今日作ったシイタケ原木からシイタケが取れるのは1年半ですが、さて園芸Aのメンバーからうまく栽培できて収穫できるのは何人だろうかな?
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