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5.中井先生の講義
いよいよ真打登場というところでしょうか、城郭に関しては全国でも有名な中井先生の登壇です。
当学科では城郭探訪クラブ員である方が多くおられ、これからの中井先生の講義を楽しみにしているのではないでしょうか。
(1)校外学習
校外学習として城郭探訪が予定されています。
各校外学習の様子は別ページで詳しく紹介しています。校外学習の様子を見るには、以下のリンク先にアクセスしてください。
最後は、いつものように各自近江の城に関して学習したことを発表する会が設けられました。
<校外学習一覧とそのリンク先>
探訪日 | 行先 | リンク先(写真をクリック) |
2023年10月31日 | 小谷城跡 | |
2023年11月21日 | 安土城 | |
2023年11月28日 | 彦根城 | |
2023年12月5日 | 甲賀のお城 | |
2024年1月11日 | 「近江の城に学ぶ」 発表会 |
(2)屋内での授業
校外学習に先立ち、文化財保護と城郭について学習しましたので、その様子も紹介します。
開催日 | テーマ | 講義の内容 | 備考 |
2023年 9月5日 |
近江の埋蔵 文化財事情 |
午前<滋賀県埋蔵文化センター訪問> 学芸員の方から説明を受けながらセンター内を見学 センターは昭和55年に建設された。当時、「木」は水がないと長期保管できず、現在もその設備を利用。 現在は、PG(プロピレングリコール)処理から瞬間凍結処理となっている。 以下は埋蔵文化センター内を見学した際の様子です。 どこかでお見かけした顔ですが、さて誰でしょうか。☝ <玄関ホールでの展示物> <作業場内> ・塩津港遺跡から発掘された木簡、将来の重要文化財候補とのこと <最後はいつものように集合写真> |
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午後、中井先生の講義(草津キャンパス内、介護研修室) ①文化財の分類 埋蔵文化財(遺跡) ⇒ 特別史跡、史跡 有形文化財(建物) ⇒ 国宝、重要文化財 無形文化財(人) ⇒ 同上 民俗文化財(祭りなど)、庭は特別名勝、名勝 ②歴史学 考古学と文献史学に分類される。考古学はモノで研究し資料となり、文献史学は古文書(文字) で史料となる。 ③琵琶湖の遺跡 湖底遺跡が多い、70箇所あり ④弥生時代 縄文時代は獲物を平等分配していたが、弥生時代は、土地・コメの取り合い、戦争に発展 ⑤王権 「前方後円墳」建設には大和王権の許可が必要(形に意味がある) 滋賀県には、荒神山古墳、安土瓢箪山古墳、膳所茶臼山古墳,雪野山古墳などが有名 大和王権と強いかかわりがあったことが伺える。 |
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2023年 9月26日 |
「近江の戦国史と城郭」 | 草津キャンパス内、介護研修室にて (1)自己紹介 中井先生の自己紹介から授業が始まりました。その後、学科員の簡単な自己紹介も <先生の自己紹介> <学科員の自己紹介> (2)授業 この授業以外に4回の校外学習が予定されており、主には見学する四つのお城について解説された。 ①甲賀の城 ・甲賀地域では、政治の組織が横方向の繋がりで形成されている。通常は「士農工商」の縦方向 ・この政治形態を群中惣(同名中)という。甲賀地域では、この群中惣単位で築城されている。 ・基本構造は一辺3~50mの方形単郭で小規模な構造であるが、土塁の高さは8mに及ぶものもある。 <城の歴史> ・戦国時代までお城は土塁、堀、曲輪などの土木施設 ・天守は信長以降であり、そのルーツは安土城(「閣」は明治以降に命名された) ・信長は見せる城に重きを置いた ・彦根城は江戸時代を代表するお城 ②小谷城 ・浅井氏三代の城(約50年) ・浅井氏は丁野(小谷の近隣)の領主で、京極家が内紛時に台頭した戦国大名 ・大広間の発掘では、礎石、遺物などは焼けておらず、火災で落城したものではないことが確認された ・浅井氏滅亡後、小谷城には秀吉が3年間居城していた(最後の城主は秀吉) ③安土城 ・近江の城郭の諸要素が安土城に導入された、信長の城郭3要素は石垣、瓦、礎石建物 ⇒石垣(観音寺城)、礎石建物(観音寺城、小谷城)、天守(鎌刃城) ・土の城(軍事的施設)から石の城(軍事+政庁)へ、統一政権の象徴として見せる城へ ・なぜ安土か? ⇒「京に近い」では説明にならず、琵琶湖の水上交通を重視 安土を中心に琵琶湖湖岸に長浜城(秀吉)、大溝城(織田信澄)、坂本城(光秀)を築城 ④彦根城 ・関ヶ原合戦後、井伊直政は、その戦功により上州高崎城から近江佐和山城に入封 直政没後、彦根城に築城、彦根城は山城 ・山城の斜面移動を封鎖する5本の登り石垣⇒秀吉の朝鮮出兵で築かれた倭城の影響 ・天守は大津城から移築(一度も落ち申さず目出度き天守)、材料の再利用で外観は異なる ・変化に富んだ屋根構造、入母屋破風、千鳥破風、唐破風など⇒城下より大きく見せるため |