44期健康づくり学科 1年後期 選択講座
の学習内容を紹介します。
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2023.4.17 健康と運動(健康運動指導士・井花春美先生)
健康寿命の延伸 (1)生活習慣病と運動
「平均寿命」が伸びたとよく聞きます。健康寿命を伸ばし健康格差を小さくするためには、生活習慣が大切です。
食事・身体活動・休養(睡眠)を改善するとよいようです。
1日10分多く身体を動かすための手段として、軽スポーツを体験しました。
左 | コップinゴルフ | 紙コップにゴルフボールを入れてスロー |
右 | じゃんけんサッカー | 4回勝ち続ければゴール 負ければ戻ってもう一度チャレンジ |
左 中 |
ボウリング | ラップ芯めがけてボールを転がし、失敗したら自分でボールを取りに行きます 自分で立てて、次の人にボールを渡します |
右 | ふうせんバレー | 風船は自分で膨らませます 写真は練習中 |
2023.5.15 健康と運動 (健康運動指導士・井花春美先生)
健康寿命の延伸 (2)レジスタンストレーニング
20~30歳代を過ぎると年齢と共に筋力の低下と基礎代謝の低下が進みます。
骨や関節、筋肉などの機能が低下し、移動に障害がでた状態のことをロコモティブシンドロームといいます。
ロコモ予防のためにも、筋力トレーニングは大切。
筋肉に抵抗(レジスタンス)をかける動作を繰り返し行うことで、筋肉量の減少をくい止める効果があるそうです。
目標を持って続けることが大切・・・無理しないで
左 | フロントランジ | 足を大きく前に踏み出す⇒腰を深く下げる⇒元に戻す 下肢のバランス能力、柔軟性をつける効果 |
中・右 | 脚上げ・尻上げ | ゆっくり上げてキープ、ゆっくり元に戻す 基礎代謝を上げる効果 |
ペットボトル(500ml)を使ったダンベル体操の一例 左:押し上げ運動 二の腕のたるみをとる 中:巻き上げ運動 腕をきたえる 右:振り開き運動 お腹をきたえる |
2023.5.23 健康と運動 (滋賀県立大学名誉教授 寄本 明先生)
講義:運動と骨粗鬆症・転倒予防
午前中の講義で、骨の役割や構造について学びました。
加齢により骨量は変化します。30歳代をピークに骨量は減少していきます。
骨粗鬆症は、骨の量が減り、骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。
いったん骨折すると治りにくく、寝たきり状態になることもあります。
【骨粗鬆症を予防するポイントは以下のとおり】
実技:重心動揺測定
午後の実技で、自分の身体の現状を知るために各種測定をしました。
左 | 握力測定 | 左右それぞれ計ります 総合的な筋力の指標になるそうです |
中・右 | 重心動揺度測定 | 重心動揺計のプレートに立つ⇒前方を凝視し30秒開眼で立つ⇒30秒閉眼で立つ 重心動揺の大きさと方向から病巣診断の一助になるそうです |
左・中 | 超音波骨密度測定 | 測定装置のフットポジションにかかとを置いて測定 測定値から骨年齢をみます |
右 | 下腿周囲長 | インサーテープというメジャーで下腿の一番太い所を計測 細すぎると筋力低下の可能性がある |
2023.5.29 健康と食・栄養(滋賀県栄養士会副会長 清水満理子先生)
調理実習~暑さ対策と食・栄養~
人間の体は60~70%が水分です。ちなみに小児は80%、成人は60%、高齢者は50%、といわれています。
一日に必要な水分量は、体重(kg)×30~40(ml)です。体重50kgなら1500~2000mlが必要ということです。
【脱水チェック・こんな症状は要注意】・・・・・チェックしてみましょう
食欲がない | めまい、頭痛 | ||
口や舌が乾く | 眠気、疲労感 | ||
尿の量が少ない | 足がつる | ||
皮膚の張りがない | 意識障害 | ||
目がくぼむ | 生あくび |
熱中症は、環境、体の状態、行動などによって引き起こされます。
熱中症を予防するには、①1日3食バランスよく食べましょう ②水分補給はこまめに取りましょう ③睡眠はしっかり取りましょう
4~5人の班ごとに調理をしました。この日の昼食です。調理後は、今回も教室でみんなで楽しい昼食を取りました。
今回も食材を準備して下さった当番班の皆様、有難うございました!
<メニュー> 〇夏野菜のカレーつけ麺 〇切り干し大根の彩サラダ 〇オクラのチーズ焼き 〇わらび餅
2023.6.12 健康とレクリエーション(元梅花女子大学教授 前山直先生)
ガッツ、スカイクロス
あなたの脳は疲れていませんか?疲れをとり心身の健康を保つ方法の一部を紹介します
□笑顔をつくり鏡を見る・・・・脳が幸福と思う⇒幸せホルモン分泌⇒活動的になる⇒自己肯定感・・・・心の健康づくりにつながります
□よい睡眠をとる
□リラックスできる時間を15分くらい持つ 何もしないボ~っとする時間がいい
□文字を書く習慣をつける
□NGワードを使わない(めんどくさい もういい 疲れた 私にはむり できない もう年だから 等々)
心身ともに健康で過ごすため、レクリエーションを楽しみながら体を動かしました。
頭の体操問題の宿題もでました。
ガッツ | 柔らかいフライングディスクを使う 2チームでディスクのスローとキャッチを行う キャッチミスやスローミスによって相手にポイントがはいる |
スカイクロス | 布のリング状の円盤を使う 輪投げ+ゴルフのミックスゲーム チーム戦 目標のコーン(13m/14m)に向かって投げ、3投で投げ入れればOK 4投なら1オーバー 2投なら1アンダー |
2023.6.26 健康とヨガⅡ実技(ヨガインストラクター 賴角紀子先生)
健康寿命を伸ばそう
たくさんのポイントを教わりました。印象に残ったいくつかを紹介します。
□ヨガを通して『自分が自分の医師になること』が目標
□自分の体(骨・筋肉・関節等々)を知って、自分で改善しようとすることが大切 本当に治せるのは自分だけ
□樹木の根と幹のように、足が安定していると体幹がしっかりする 軸ができる
□呼吸も動作も意識して行う
例えば、〔4カウント吸う 2カウント止める 8カウントで吐ききる〕〔3カウント吸う 1カウント止める 6カウントで吐ききる〕
など自分のリズムを作って意識して呼吸してみるとよい
実技の様子です
左:授業終わりに集合!(前列中央の女性が頼角先生) 右:授業公開の日で、25名くらいの入学検討中の方が見学に来られていました。 |
2023.7.3 健康と運動 (健康運動指導士 井花春美先生)
健康寿命の延伸
(3)高齢期の体力・認知症 コグニサイズ
高齢期になると心と体に様々な変化が生じてきます。例えば・・・
□関節の曲げ伸ばしがスムーズにできにくくなる
□筋肉が細くなり、伸び縮みする力が落ちる
□心臓・肺・血管は弾力性が失われてくる 〔30歳を100%とすると➡80歳は30~50%に!〕
□新しいことを覚える力が低下する
□疲労を感じやすい
□集中できる時間が短くなる
これらの年齢変化には個人差があります。何もしなければ下降するばかりです。
体を動かすことで低下を防ぎ ADL(日常生活動作能力のこと)を回復 しましょう。
ADLを回復し QOL向上!(クオリティ・オブ・ライフ= 生活の質、人生の内容の質)
認知症の予防運動
① 適度な運動・・・・ストレッチ、筋力トレーニングなど。激しい運動はかえってマイナス
② 有酸素運動・・・・ウォーキング、スロージョギング、水中ウォーキングなど
③ コグニ体操・・・・コグニサイズ(2つのことを同時に行うトレーニング)
予防には、①身体的活動 ②頭を使う ③社会活動 が有効です。
そこで、実技ではコミュニケーションをとりながら体を動かしました。頭を使う内容が加わると、けっこう難しいものもありました。
皆で楽しみながら活動しました。時に大笑いあり!大声あり!
左 | 棒作り・・・ 新聞紙を15枚くらい丸めて、3か所をテープで止める |
中 | 背中に養生テープを貼る テープには1~6の数字が書いてある |
右 | 棒でふれられたテープの数字を答える (貼るとき覚えておくこと・・・左肩は3、腰は5など) |
左 | 2人向き合って、棒を交換 右手で渡し左手で受け取る |
右 | グループで輪になって、キャッチ棒 ① 1本ずつ右回りに回しトレーナーの合図で左回りに ② 棒を両手に持ち、右隣に投げ渡し、同時に左手で受け取る まずは全員が落とすことなく回せるか!? |
左 | 最初はグー じゃんけんポン あっち向いてホイ おなじみのゲームです |
右 | 💛100まで足し算 一人ずつ好きな数字を足して100にする 💛100から引き算 100から3ずつ引いていく 8や6など引く数字を変えても面白い 💛しり取り 2つ前の言葉からさかのぼって繰り返して、しり取りをする 例:リンゴ→リンゴ・ゴリラ→リンゴ・ゴリラ・ラッパ→ゴリラ・ラッパ・パンツ と続ける |
2023.8.7 健康と運動(滋賀県立大学名誉教授 寄本 明先生)
運動と脳・神経について
棒反応、全身反応時間、調整力に関わる動き
ロコモティブシンドローム(運動器症候群)
骨・関節・筋肉・神経などの運動器の働きが衰えると、くらしの中の自立度が低下します。
ロコモティブシンドローム(ロコモ)とは、運動器の障害により要介護になるリスクの高い状態のことです。
運動器はそれぞれが連携して働いています。
実技では、今の自分の状態を知ることと、トレーニング法を学びました。お互いに協力して測定や記録をとりました。
テスト1 閉眼接指テスト
手をグーにし人差し指を立てる ⇒ 左手右手を50㎝くらい離して、目を閉じて指先が接するまで近づける �
💛速く ゆっくり 力を加減して行う
テスト2 膝スリ・トントン
左手を広げて膝を前後にスリスリなでる
右手はグーで上下にトントンたたく
💛出来たら、空間でスリスリ・トントン 透明の壁があると思ってやってみる・・・・・・これムズッ‼
敏捷性測定
左 | 棒反応時間を測定 ➡ 合図なしに落ちてくる棒を素早くつかむ |
右 | 全身応時間を測定 ➡ 前の機器のランプが光ったら飛び上がる(視覚で反応) ➡ 音が聞こえたら飛び上がる(聴覚で反応) |
身体をコントロール
左 | おしり相撲 足が動かないようにキープ |
右 | 片手相撲 片手だけで前後左右に引き合う 全身のバランスをとってキープ |
2023.9.11 地域における健康づくりへのアプローチ
(栗東市社会福祉協議会健康運動指導士 飯田忍宣先生)
~地域サロン等を活用して~
「社会的つながり」が多いと、認知症リスクが46%減!(国立長寿センター)
以下の項目全部に当てはまっていると、発症リスクは46%減、 3項目だと25%減
● 配偶者がいる
● 同居家族と支援のやりとりがある
● 友人との交流がある
● 地域のグループ活動に参加している
● 何らかの就労をしている
「社会的つながり」の例として「ボランティア」と「地域サロン」について学習しました。
ボランティアの定義 | |
自発性 | 自分の意思で参加し取り組みます |
無償性 | お金をもらうことを目的としません |
利他性(公共性) | 他の人や社会のために取り組み、活動する自分自身も様々なものを得ることができます |
「情は人の為ならず」と言いますが。
自分自身も豊かになる活動です
地域サロン (福祉サロン・ふれあいサロン・いきいきサロン等呼び方は様々) | |
サロンとは | 地域を拠点に住民とボランティアとが共同で企画し運営していく仲間づくりの活動 小地域での活動が基本 |
効果 | ・自分の役割あるなど社会参加意欲を高めます ・無理なく体を動かせます ・話し、笑い、歌い等々で適度な 精神的刺激となります ・出かけることで生活のメリハリができます ・閉じこもり防止になります ・地域住民同士のきずなを深めます 安否確認にもなります |
左 | みんなでサロンの場を設営 人数が多いので円形にしました |
右 | 立って手足を動かします 無理なくゆるいストレッチなど |
左 | 一枚の絵を覚えます ➡ 3枚のうち同じ絵はどれでしょう |
中 | 空いている所には何という字が入るでしょう?(図は部分です) ♪♪~ 🌰 🌳 |
右 | この図は何を表しているでしょう? よく見ると汗をかいています 持ち上げている物は? |
サロンに見立てた実技では、体を動かし、頭も使い、周囲の人と話をしながら和やかに過ごしました。
サロンに参加する人、運営スタッフの両方の視点で見ることができました。
*図‐右の答えは 「おもいやり」です。
2023.9.25 健康と食・栄養
(滋賀県栄養士会管理栄養士 清水満理子先生)
~骨粗しょう症予防と栄養~
骨粗しょう症は、骨の強度が低下して骨折しやすくなる骨の病気です。
カルシウム摂取が不足すると、骨を溶かして血液中のカルシウムを維持します。だから骨がスカスカになってしまうのです。
カルシウム吸収率の良い食品 | 牛乳〔40%〕 小魚〔33%〕 野菜〔19%〕 |
カルシウム吸収を阻害する栄養素・食品 | リン(インスタント麺) レトルト食品 嗜好食品(コーヒーなど、アルコール) 食塩(味が濃い食塩が多いもの) |
カルシウムを上手にとる工夫 (一例です) |
炊き込みご飯にスキムミルクを入れて炊く |
サラダドレッシングの中にパルメザンチーズを加える | |
牛乳や乳製品を調味料として使用する | |
カルシウム食品を常備しておく | |
野菜ジュースに牛乳を加える |
1 ごはん
2 鮭のムニエル
3 キノコのクリームスープ
4 キャベツのサラダ
5 さつまいもとリンゴのホットケーキ
まとめ 骨粗しょう症を予防し健康で生活するためには
① 1日3食の規則正しくバランスのとれた食事
② 身体活動
③ お口の健康
④ 転倒しない工夫
2023.9.28 高齢期のこころとからだ(敦賀市立看護学校 北村隆子)
Ⅰ こころとカラダ
Ⅱ こころの活性化
ストレスの背景 | 情報の氾濫・複雑な人間関係・価値観や生活様式の変化などたくさんあります |
心身相関 | ストレスには「心理的なストレス」と「身体的なストレス」があります こころとからだは互いに影響を及ぼしあっています |
高齢になると | 臓器の予備力・回復力・適応力が低下してきます。 ストレスにさらされた時の防衛力が低下してきます。 |
日常生活 | 日常のいらだちがストレスになっていませんか ひんぱんに体験する不愉快な事柄や心配事(例:交通渋滞・上司に叱られる) 繰り返されじわじわと影響してくるようなこと(例:騒音・家事に協力がない) |
ストレスへの対処行動(コーピング)はうまくできていますか(一例です)
1 一人で抱え込まない、誰かに打ち明ける | 6 スリルや緊張感のある行動をする |
2 完璧主義をすてる | 7 表面的にはしゃいだり、明るく振る舞う |
3 目標の立て方を考え直す | 8 美味しいものをやけ食いする 大きい買い物をして気を晴らす |
4 休養と睡眠をとる 時間の使い方や生活態度を変えてみる | 9 物を壊したりしてうっぷんをはらす 酒をのんでバカ騒ぎをする |
5 笑う 趣味を持つ(楽しい時間を持つ) 忘れる | 10 問題に関わった人に腹を立てる |
左 | 普段のストレス対処法について意見を出し合いました |
中 | 対処法についてグループで話し合いをしました |
右 |
他者へのストレス軽減法 タクティールケア |
〇 指は閉じてゆったりと10分程度 ● 背中の中心から四角を書くように 〇 腰から肩へ楕円を書くように ● 首の後ろから肩をなでるように左右へ |
まとめ 適度なストレスは、からだと心の均衡を保つために必要ともいいます
ストレスコントロールをし健康に過ごしたいものです
追記: 『田中秀樹著「ぐっすり眠れる3つの習慣」ベスト新書』より、ストレスコントロールのポイントを紹介します。
・完璧主義を捨てよう | ・何事も腹八分目 | ・疲れたら休息をとろう |
・趣味を持とう | ・笑う門には福来る | ・目的意識を持つ 一日一日を有意義に過ごそう |
・悩みを一人で抱え込まない | ・アルコールや薬に頼らない | ・不要なものはどんどん捨てる |
・先入観を持たない | ・失敗してもくよくよしない | ・ユーモアを持つ |
・ノーと言う勇気を持とう | ・時には一人でボーっとしよう | ・好きな音楽を聴きリラックスする |
・自分の考えを持つ | ・軽い運動をしよう | ・涙をながす |
猛暑の夏が過ぎ、気が付けばすっかり秋です。仲間と共に学び1年生を終え、10月から2年生です。
皆で元気に充実した学びを進めたいです。